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第1話 ガラスの割れる音

この物語は小さい時から僕の心の中にもうひとつの世界として存在していました。

雑な文章にはなりますが僕の心の中にずっと秘めていた世界を誰かに見せることが出来ればと思います。

手に生暖かいヌルッとした感触と柔らかくて冷たい感触が触れていた。


ショックで目の前が暗くなっていたのだろうか、だんだんと視界が冴えると同時に赤く染まった景色が見えた


熱い熱い熱い痛い痛い痛い


吐き気が抑えられない。頭の先からツンとした冷たい感覚が広がってくる。



視界が滲む、もう頭もまともに回らない。



遠のく意識の中、視界の端で白い影が揺れた。











カーテンの隙間から光が目を刺した。

眩しさに驚いた目を擦りながら体を起こす。


「夢………………」


酷くリアルな夢を見た気がする。夢の内容は思い出せないが。起き上がるとシャツが体に張り付くくらいに汗でびっしょりと濡れていた。


「シャワー……浴びたい」

3日ぶりのシャワーを浴びる。朝日に水滴が照らされてキラキラと光った。

毎日となるとしんどいがたまに浴びる分には気持ちがいい。


夏なのに変に涼しい日だった。蝉の声も聞こえない。

異常気象もいいところだ。

ほぼ引きこもりの僕だが、珍しく外に出たいと思った。


最後いつ着たのか分からないよそ行きのパーカーに袖を通した。

昔は似合ってたのに今じゃ似合わないな…鏡を見てそんなことを思いながら財布と携帯とイヤホンをカバンに入れる。


最後いつ玄関のドアを開けただろう?もう覚えてすらいない。

ドアを開けると風ひとつ吹かない鳥の声も聞こえないいつもと違う空気に少し違和感を覚えた。



最寄りの駅まで歩く。今日はほんとに体が軽い。


改札を潜り、電車のホームでイヤホンを強く耳にはめ込む。外の音が聞こえないように。

特に外に出る目的は無いが、こんな涼しい時こそ外に出ないとそろそろ体にカビが生えてしまう。


電車を待つ間音楽を聴きながらSNSを見ていた。

今日のトレンドワードは「地震大丈夫」「不審死」「異常気象」「セミ爆弾」か…セミ爆弾には絶対に被弾したくないな。それにしても物騒なワードばかりだ。

夏にしては肌寒いくらいだし、そりゃセミも人も温度差で倒れるわ。


なんてことないことを考えているうちに電車が遠くから走っているのが見えてきた。

携帯をポケットに入れて黄色い線の内側で電車の到着を待っていた。


列の先頭を確保したから座席には確実に座れるな、気分がいい。


イヤホンの音量を上げて携帯をポケットに入れた。












気づいたら、地面が無くなった?いや、身体が線路へと宙を舞っていた。

何が起きたのか分からない。

直前の記憶が無い。誰かに押された?自分から飛び込んだ?立ちくらみなのか?


気づいたら目の前まで電車が迫っていた。


頭の中でガラスの割れるような音が響いた。



「え………………ちょっ……………!?」




電車は急ブレーキを踏むが間に合うはずもなく、車体に体が吹き飛ばされた。

耐え難いほど背中が熱い。息ができない。手足が動かない。


「……あ……………っつ……………」



線路が赤黒く陽の光を反射して輝いている。

ホームが騒がしい、僕が飛び込んだとみんな騒いでいる。


「…………なんで……………」


耳元で自分の鼓動が響いている、死ぬのか?ほんとに?夢じゃないのか?


駅員さんが大声でなにか僕に呼びかけている。


だんだんと体が寒くなってきた。死ぬってこういうことなのか。

死ぬのか…まだ死にたくない…嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ────



突如誰かに手を引かれる感覚がした。

僕の意識はそのまま電源を切るように途絶えた


あ、死んだ



名前 青山春也

ほぼ引きこもり

親のスネかじりニート

彼女なし


享年25歳









もっとろくな死に方をしたかった。


お読み頂きありがとうございます。

初作品ですので至らない部分が目立つかと思いますが楽しく書いて行こうと思います。

少しでも続きが気になると思ってくれた方はブクマ、☆評価して頂けるとモチベになります。

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