第九章〜言い訳
スマホ、破壊により、買い替えてました。
「うん。わかったよ。ママ!ぼく、このひとに思い知らせて上げるよ。ぼくだって一生懸命書いたんだ。それをこんなふうに馬鹿になんかされたら、僕だって・・・ぼくだって怒るんだから!」
母親の方も彼の発言に合わせるように拳を握り締めているのがわかった。
今にもこちらに飛び掛かってきそうな気迫のようなものを感じる。
━━非現実的だ。ひと回りもふた周りも歳上の大学生を子供呼ばわりする八才児もさることながら、この母親の方も、非現実の世界の住人のように思えてならなかった。
「だいたい、すぱこんっていう音が響いた時点で想像できるでしょうに」
と、怒りの眼差しを向けてきたのだ。
━━え?そ、そうか?その擬音?だと思われるが、でもって濡れ場を想像せよというのか?どうなっているのだ?この少年の頭の中は。一体男と女の、場合によっては男同士や女同士かもしれないにしても、いわゆるぬれ場、ラブシーンというものをどのようなものだと認識しているというのだ?
これが今風のセンスというものだとでも言うのか?
世の中、どうかしてしまったのか?
私の頭の中は、いよいよ混乱を極めるしかなくなってしまった。
「あ、あのう‥」
私は、恐る恐る、母子に話しかけようとした。忠言しようかと。
漸くかけました。