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超ラノベ  作者: 瀬田川 廡輪
5/11

第五章〜展開?

御早う御座います。

さて、物語の中では一体何ごとが起きたのか?それを知ることがなにより重要なのに思えてきた。

しかし、いかんせん、これでは手掛かりをつかめそうになかった。

『すばし』

作品内では確実に何事かが起きているようだ。ストーリーは私の里海の範囲を超えて進んでいるのに違いはなさそうであった。

『ばごーん』

━━これはもしかしたら、何らかのリアクションを、示してあげなければ、年端としはもゆかない純悟郎クンが作品を書いたという努力にむくえないのかもしれない。

わたしは強くそう思い、そしてなんとかしなければ、と焦る一方であった。

「ああ」

私はひどく驚いたような声を上げてみせた。迫真はくしんの戦闘シーンに興奮している、というていを作ってあげているつもりなのだった。

『どばこ』

『うぐ』

「ほう。なるほど。迫力ある表現ですな。鬼気きき迫るとは、まさにこのことか」

私は思わずかたわらに行儀ぎょうぎよく座る母子に対して呟いていた。心の中からの感想ではなかったのだけれど。

「あら!そうですの?嬉しいですわおめ頂いて。純悟郎、あなたも少しは嬉しそうなお顔をなさいなさいな。ほら、先生にお礼も言って」

母親は、純悟郎の頭をぽんと叩く。

ところが、その肝心かんじんの純悟郎はさして嬉しそうではないのであった。

━━ん?

私は思わず読み進める眼を止めた。純悟郎が珍しくはっきりものを言った。

「先生。先生さ。今、それが何の場面なのか、わかってくださってます?それ、なんだと思ってます?」

言われて私は、は、っとなって息を呑むのであった。

「きっとわかってないのでしょう?わかってなくてテキトーに感想言ってるだけでしょう?ママのご機嫌とれるように」

聞いて原稿用紙を持つわたしの手はふるえていたかもしれない。

彼に見つめられて、眼が泳いでいたかもしれない。

「はあ」

私は溜息ためいきをついた。

「わかるというのなら、説明してみせてくださいよ。ぼくの作品のストーリーを」

「そ・・・、それは・・・」

いよいよ私は言葉に詰まってしまった。

母親も何故か静観している。

━━あ・・・。

ふたりの視線はきつかった。

有り難う御座いました。

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