第四章〜作者
宜しく御願い申し上げます。
『どばこーん』
━━な・・・何が起きた?これは一体何の場面の描写なのだ?
漫画風に解釈するのならば、なんだか何者かが何者かを殴ったかのような擬音語に思えるのだが。
してみるとこれは喧嘩か何か?漫画などによく見られるいわゆる戦闘シーンが展開しているということなのか?いや・・・、それにしては・・・。私はやはりどうにも想像しようがなかった。この作品を理解するには今どきの若いコ特有の感性が必要だということなのだろうか?
私は急に自分が歳を取ってしまって、最新の文化や芸術に追随できないような老いぼれになってしまったような気分になり、なんだか非常に寂しくなるのであった。
『すーい、すーい』
?
何だ?水の中を泳ぐ擬態語か?何が起きた?やはり私は混乱した。
「おほほ、先生、いかがです?息子の正樹の作品は?なんだか感心してくださってるようなお顔ですわね?正樹、喜びなさい。先生もお褒めくださってるのよ。おほほ」
━━いや、決して褒めてなどいない。
思うが、何故がそうは言えなかった。同情ではない。遠慮でもない。母親が美しいから、でもない。
ただ、心底自分に自信がなくなつてきていたのだ。
『ばきぃっ』
━━これが正しいのかもしれない。この母子の感性のほうが今風であり、世の中的には受け容れられるのかもしれない。
そんなふうに思えてしまってならないのだ。
『すぱこーん』
おそらくは、スーパーコンピュータのことでさあるまい。これはきっと頭を撃ち抜いた音だ。
そう思うしかなかった。
母親の高笑いが部屋に響いていた。
どうしたものか。私はいよいよ考え始めなくてはならなかった。
有難う御座いました。