表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
超ラノベ  作者: 瀬田川 廡輪
2/11

第二章〜展開?

宜しく御願い申し上げます。

『パン』

『どか』

そんな文章、というか単語、というかオノマトペらしき文字がひたすら続いた。

『ぱきん!』

━━うわ、今度はなんの音だ?ポッキーでも割れたか?ガラスか?それとも何事かが起きて人の骨でも・・・。

唐突な新手のオノマトペらしきの出現に、私は戸惑(とまど)い訳をわからなくするしかなかった。

ひと区画ごとに文章に改行がなされるのは、いわゆるラノベ風とも言える躍動感というか、時間経過の感覚を文字の配置によって感じさせられるという狙いが見えて良いとも思うのだが。

いかんせん、場面の描写、心理描写がまったくないので、この作品の中で一体何が起き、どういう展開でストーリーが進んでいるのか、予想すらできないのであった。

それでも、何らかのストーリーを知るための手掛かりが書き手から提供されるのであろうと希望を持ちつつ、新たな展開を待つ気分で読み進めた。しかし、

『かっきーん』

━━うわ!お次はなんの音だ?金属バットでボールを打った音か?これは、野球を描いた小説だったということか?それも、木製ではなく金属バットを使うということは高校野球なのに違いあるまい。

漫画の『巨人の星』や『タッチ』みたいなものか?

いわ、しかし、そしたらバキとか、ぱし、とかはなんの音だというのだ?

━━わからない。

わたしにはわからなかった。━━もしかしたら、お笑いのオリエンタル・ラジオのネタのかっきーん、だった?

わかり得ない。

と、その時だった。一生懸命読み(ふけ)るフリをしている私に母親が話し掛けてきたのだ。

「先生、いかがでしょう。息子の、その、御作品は。はっきり(おっしゃ)ってくださいまし。他息子には文才はありますの?」

いちいち母親が付き()うように読んでいる(かたわ)らに鎮座しているというのもウザかったが、母親は何しろ美人であったし、先生などと持ち上げられるのも悪い気はしなかったので私は微妙な笑みで返した。

正直、自分に文才があるとも思ってないし、他人の書いた小説を添削、評価するなど初めての経験だ。私は極めて戸惑い、しどろもどろになってしまった。

「あ、え、っと。この御作品は、タイトルは何でしたっけね?」

私はわざと大げさに原稿用紙の一枚目をめくってみせ、思えばまだ確認さえしてなかった作品タイトルを見てみたのだ。

有難う御座いました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ