地獄の沙汰も金次第?
ピタン、ピタン、ピタンッ。
「うっ!」
俺は鋭い痛みを発する頬に、水滴が当たって、慌てて顔を覆おうとした。目を開けると、そこは薄暗い空間だった。
どうやら、洞穴の中らしい。
あいにくと、頬は焼けただれているようで、今もヒリヒリと痛かった。いや、顔だけじゃないや。
「痛い。寒い。体中がヒリヒリする……」
ぼんやりと浮かぶ人魂が、明かりを発しながら俺の周りに浮いていた。洞穴は、意外にも、地面に小さな白い花が咲き乱れていた。
「綺麗なところだなあ……あ、でも?」
何故か俺には、ここにとてつもない絶望感を覚えた。
この白い花もどこか死よりも深い。そして、悲しいものを感じさせている。
頭がスッキリしていくと、ああ、そうか。と思えてきた。
「この先に阿鼻地獄があるんだ……」
俺は起き上がろうとした。
早く。洞穴から出ないといけない。
その出口は、阿鼻地獄で、きっと弥生がいるはずだからだ。
けれども、俺の身体は腕や小指すら動かすことのできない。ビクともしないものだった……。




