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急に地面の温度が上昇する。気温が更に上がって、真っ赤に焼けた熱鉄のかまが高熱を帯びだした。その間を、俺は音星の手を握り慎重に走る。周囲はごぼごぼと凄まじい白い煙。いや、大勢の半透明な人型の魂の目、鼻、口から湯気が立ちのぼっている。
熱でやられて、クラクラしてきた。
大量の汗の掻き過ぎで、足がフラフラする。
音星も俺の手をギュッと、握りしめていて、無言だった。
音星のひどく汗ばんでいる手が、こちらも辛くなるほどだぜ。
でも、その時。
その湯気の向こう側に、幻が見えた。
俺には、それが他でもない。
妹の弥生に見えた……。
「や、弥生……今、そこへ行くぞ……」
ドンッと、空気が割れたような音が木霊する。
遥か遠くの巨大な火柱が増えた。
まだまだ熱くなっていく。
「……火端さん? シロが……」
俺と同じく汗を掻き過ぎている音星が、か細い声を発した。
音星が倒れ込みそうになりながら、白い花が咲いている大地の方を指差している。そっちを向くと、シロが木でできた水差しを咥えてこちらに走ってきていた。




