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入り口付近のアイスボックスを開けて、二、三ドライアイスを取り出すと、そのままジュースなどの飲み物が置いてある棚の冷蔵リーチインショーケースへ行く。種々雑多なジュースも持ち出すと、レジへと持って行った。
「火端さん。いっぱい買いましたね。それ、全部入ります?」
「おっとっと、この場で飲んでいこうか?」
俺は勘定を済ませると、すぐに音星を連れて、コンビニの外へと出る。駐車スペースで音星が、夜空を指差した。
「火端さん……ここでも、星々が見えますね。少し休んでいきましょう」
「ああ」
俺と音星は、こぞってクーラーボックスに入りきらないジュースの蓋を開けた。
「ふぅ――」
「はぁ」
思えば、ここ八天街へ来てからまだ一周間しかたっていないんだな。その間に色々なことが起きた。
おじさんとおばさんと、古葉さんに、柿谷さん。霧木さんに、そして、音星とは地獄で出会って、ホントに良かったよ。
俺一人では、すぐにダメだったはずだ。
等活地獄から、もう第六層の……。
これから、焦熱地獄へ行くんだな。
そこは、殺生、偸盗、邪婬、妄語、飲酒に、邪見の者をした罪人が落ちると言われている。
「もう、いいでしょうか?」
「ああ。ジュースも空になったし」
「それでは、帰ってきたら、きっと八天街は元の姿に戻っていますよ」
「ああ……」
音星の古びた手鏡の光で目を瞑ると、しばらくして、ドンッという衝撃と共に、周囲の気温が急上昇した。
ジュ―ーーーー、という何とも言えない臭いのものが、蒸発するような音がして、目を開けると、眼前に、熱鉄のかまに半透明な人型の魂が、白い煙をモクモクと吐き出しながら漂っていた。




