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外灯の明かりもない。風もない。仕事帰りで賑わうこともなく。飲み屋の前にも行き交う人々がいない。ただ、夜の闇と夏の暑さと静けさだけが残る八天街。
ドライアイスはきっと、アイスを買ったコンビニにあるはずだ。シロもそれを知っているようだ。コンビニへの道を歩いている。
そういえば、ここら辺の建物の窓で、魑魅魍魎の姿がくっきりと映っていたっけ。
シロは、そんな中。車もない横断歩道を渡るため元来た道を走り出した。
俺の胸の中で、急にぞわぞわが戻り出した。
音星と一緒に、シロの後を走って追いかけると、信号機がジーッと鳴りだした。
ジー、ジー、ジー。
俺は音星の手を握ると、シロの後をシロの後ろ姿だけ見つめて、走る。俺たちの通り過ぎた道路が何か騒がしくなった。
「火端さん?」
「……シロの後ろだけを見ていようよ!」
「後ろが大変なことになっていますよ?」
「ああ……やった! たどり着いた!」
シロがコンビニの玄関ドアにたどり着いた。
音星の手を引っ張り、俺はコンビニへと急いで入った。
「いらっしゃいませー」
殊の外。コンビニの店員も胸の中がぞわぞわして不穏なのだろう。こちらに挨拶してきた。




