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俺たちの周囲から、外灯の明かりが徐々に消えていった。
真っ暗になっていく大通りを、俺たちは戸惑いながら走って行く。
ビュー、ビュー、と、吹いていた生暖かい風も、いつの間にか止んでいた。
「シロ! 頼む! 八天商店街まで走ってくれ!!」
「ニャ? ニャー!!」
シロは大通りを八天商店街まで、まっすぐ走って行った。俺は、夜道をシロが八天商店街まで、安全な通路で導いてくれているかのような気がした。
俺たちは、必死にシロを追い掛けた。
街の至る所から、獣のような獣じゃないような生き物の咆哮がする。
胸のざわざわ感が酷くなって来た。
一本の角が生えた鬼や、鼻の長い天狗などの妖怪の大きな影が飲食店や本屋、ビルなどの窓に映っていた。
「まるで、百鬼夜行じゃないか?! 音星! 全力ダッシュだ!!」
「はい!」
全速力でシロを追い掛けると、目の前に明かりが浮かんだ。
八天商店街のスポーツ用品店は、まだ開いていた。
店内に入ると、シロはあくびをしながら、玄関ドアの前で横になった。
「ふぅーー、危なかった……」
「ええ。何が起きるか、何が起きているのか、さっぱりわかりませんが、危ないところでしたね」
「帰りは気を付けようよ」
「ええ。このスポーツ用品店でお買い物をしたら、すぐ外で八大地獄へ行きましょう」
「いらっしゃい」
レジにはしがないおじさんがいて、俺たちを終始穴の開くほど見ていた。




