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勇気と巫女の八大地獄巡り  作者: 主道 学


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それも罪悪感?

 叫喚地獄。


 大叫喚地獄。


 あったぞ。


 延々とした下り坂を降りていくと、大叫喚地獄の入り口の洞穴を見つけた。

 空は相変わらず鳥もなく。風もなく。

 殺風景なところだ。


 そんな中に、洞穴が大口を開けている。

 妹はこんなところから、大叫喚地獄に再び戻って行ってしまった。


 罪悪感?


 そんなに大したものだろうか?

 確かに罪悪感は恐ろしいものだ。

 けれども、俺はどうしても妹を救いだしたかった。


 音星も来てくれているんだし。

 これは……ひっぱたいても妹を地獄から救いだしてみせるよ。


 あの世のことだ。


 後はあの世に任せてみようと思う。

 運が良ければ仏様が何とかしてくれるかもしれないからな! 


 大勢の死者と共に音のしない洞穴をくぐると、そこは意外にも明るかった。人魂が洞穴の天井に所狭しと浮かんでいたからだ。


「あ、そこ大きな石があるから足元に気をつけて」

「はい。こんなに明るいのに気づきませんでした」


 洞穴は、外と同じく下りの坂道になっていて、先に進むと、段々と坂が急になってきた。両脇を音もなく歩いて行く死者たちも、殊の外歩く速度が速くなって来る。


 俺も音星も半ば早歩きで、下り坂を降りていくと、広い空間にでた。


「あれ? ここは? また坂道だ」

「ええ、それにしても、とても広いところですね」


 俺たちは、そこで坂道を進んでいくと遥か向こう側に、巨大な扉がそびえ立っているのを見つけた。


 その扉の両側には、恐ろしい形相の大きな鬼の銅像が二つ置かれてあった。


 鬼の銅像は、どうやら右が青い色の身体をしていて、左は赤い色の身体をしていた。扉よりも大きな二つの鬼の銅像は、両腕を上げ、扉を通って行く大勢の死者たちに向かって、威嚇しているような何かに怒っているような姿勢をしていた。


 俺は扉へと、妹を探しながら慎重に歩いて行った。

 終始。絶え間ない死者たちの群れに混じって、弥生がどこかにいるはずだと俺は目を皿のようにしていた。


 だけど結局、弥生は見つからずじまいだった。


 とうとう、俺たちは大勢の死者たちに混じって扉をくぐってしまった。中は真っ暗闇だった。鬼か獣かの咆哮が周囲に木霊している。今更だけど、もう戻れないし、やっぱり生身で地獄にいるのは、とても怖いや。


 俺は音星の手を強く握った。


「音星。さあ、先へ行こう……う?!」

「はい……あら?」


 突然、地面が抜けて、いや、最初から地面なんてなかったんだ。


 俺と音星は大勢の死者たちと共に、遥か遠くの真っ赤な地面へと吸い込まれるように落ちていった。


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