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勇気と巫女の八大地獄巡り  作者: 主道 学


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5-47

…………


「そりゃ、冷たいジュースやアイスばかり買ってちゃダメさねえ」

「え? どうしてですか?」

「そんなに大汗を掻くところなんだし、塩分が必要になって来るもんなんだよ。いいかい? 今度、地獄へ行く時には塩持ってきなさい。塩」

「はあ……」

「こんなこともあろうかと。巫女さんの梅干し入りおにぎりには、塩をたくさん使ってあったんだよ」

「え! はあ。そうだったんですか。ありがとうございます。そういえば、あのおにぎり塩辛かったわ」


 ……うん?

 ここはどこだ?


 近くで音星とおばさんの話し声が聞こえる。

 

 あ、そうか……。

 俺は玄関先で倒れたんだったな。

 

 うー、頭が今でもクラクラするぜ。

 きっと、熱中症だな……。


 熱中症!!


 そうか!

 今の話し声のおばさんの言う通りだ!


 地獄でも塩分が必要なんだ!


 俺は目を開けて、上半身だけ起き上がると、そこは丁度民宿のキッチン側にある客間だった。程よい広さの和室だった。柱時計が真ん中にある。壁には色々な形の提灯が並んでいた。


 立ち上がって、客間の長椅子に座る音星の方へ歩いた。その向いにおばさんがいる。俺のおでこにおいてあった濡れタオルが下へ落ちた。


「あ、火端くん! まだ寝てないと。今、お医者さん呼んだから。もう少し寝ていなさいな」

「あ、火端さん。お顔色がまだ優れていないようです」

「ああ……それじゃ、まだちょっと横になろうかな。……あれ? シロは?」


 客間にもここから見えるキッチンにも、シロがいなかった。


「シロ! シロ! ……あれれ? いないの? ひょっとしてまだ地獄にいるとか?」

「そうなんですよ。シロは叫喚地獄を出る時にはちゃんと手鏡には写っていたんです……ですけど、現世には戻ってきていないみたいですね」


 音星は顔を下に向けて、少し考えてから。


「きっと、シロのことです。大方。弥生さんを追ってどこかへ行ったのでしょう。心配してしまいますが、シロなら大丈夫ですよ」

「そうか……弥生。どこいっちゃったんだろう? あんだけ探したのになあ……。やっと、見つけたのになあ……」


 俺は明日、弥生をまた探そうと心に決めた。 


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