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音星の誘いで真夏の商店街へと向かった。八天駅のロータリーから少し民宿とは別方向へ歩く途中にそれはあった。ちょうど、交差点四つと陸橋を渡ったところだ。
八天街の街の人で賑わっている八天商店街。
ここになら、叫喚地獄から更に下層の熱さでも、十分対策ができるクーラーバッグなどがあるだろう。
「あらー、巫女さんと火端くん?」
「あら? こんにちはー」
「あれ? おばさん?」
八天商店街には、買い物袋片手の民宿のおばさんがいた。どうやら、買い出しらしい。
「おばさん? 買い出し?」
「ええ。魚と卵が足りなくてね」
「ええ? もうないの?」
「うーん……またうちに新しいお客さんがくるのよ。だから、足りないのよ」
「そっか」
真夏の真上から猛射が降り注ぐ昼時。
八天商店街では、夕飯の買い物をする主婦たちが多かった。
「へえー、そうなんですか? それでは、おばさん。私たちはクーラーというものを探しに行ってきますね」
「ひょっとして、音星。クーラー知らないのか?」
「ええ。うちは、団扇派なんです」
「……ひょっとして、それってシャレ?」
「ぷっあはははははは」
「それでは……」
「おばさん。じゃあ、夜には帰るよ」
俺は初めにクーラーボックスを売っている店を探した。クーラーボックスならアウトドア用品を売っている店にあるな。八天商店街の真ん中辺りに、けれども、スポーツ用品店が目に付いた。
あれ? スポーツ用品? そうだ! クーラーバッグだ! ここならクーラーバッグがあるかも知れない。
……うん! 入ってみようか。
喫茶店と電気屋に挟まったこじんまりとしたスポーツ用品店に入ると、早速、クーラーバッグを探した。
スポーツバックの棚に置いてあるクーラーバッグを見つけ。中身を覗いて頷いた。これなら、氷や冷えたジュースに、それにアイスもいいな。それを入れれば十分だ。
今日の夜には帰らないといけないし、早めに地獄へ行かないとな。
さて、今度は氷と冷たいジュースとかだ。
それなら、菓子屋かコンビニにあるぞ。
八天商店街で全部揃うだろう。




