地獄に仏?
白猫は俺の顔を見るなり、ニャーと鳴いて近づいてきて、足元で頬を摺り寄せてじゃれはじめてしまった。
うーん。
あ、古葉さんの猫屋でか?!
この猫の所在は猫屋だと知ると、また猫屋へ戻らなければいけない。今度は猫を連れ、俺は猫屋へ元来た道を歩いて行った。
ただのガキの遣いだと思ったら、色々あったな……。
ニャー……。
猫屋へ戻ると、店内では、古葉さんが神妙な顔をしてショーケースを覗いていた。古葉さんの後ろから声を掛けると、いきなり驚きの声があがった。
「わっ! わーー! って、火端か……。驚かすなよ……。あれ? その猫! その猫!」
「うん。ああ、この猫。いつの間にかついて来たんだよ」
「お前……一番。厄介な猫を……」
「へ?」
「その猫はなあ、飼い主によく似た奴を見つけると、どこまでも着いていってしまうんだ。この間なんかなあ……」
「俺、買うよ。金はこの旅が終わったらでいいかな?」
「うえ! ……よし! 売った!」
俺は白猫を買ってから、民宿へ戻ることにした。古葉さんは、快く白猫を後払いで売ってくれた。俺の実家は茨城県にあるんだ。実家ならいくらか金があるんだ。さて、この白猫の名前は……シロでいいな。決まりだな。




