3-25
裏通りに差し掛かるところの交差点近くに、猫の鳴き声がしたペットショップがあった。そのペットショップは、多種多様な猫が店の外へと溢れ出している。黄色のペンキで塗り潰されたその建物は、猫屋と書いてある小さな看板が出入り口に立っていた。そこへ、俺たちの民宿にいる古葉さんが、ヨレヨレのポロシャツ姿でだるそうに店内を覗いていた。
「あ、古葉さん……」
「あら。今頃、出勤なんですね。古葉さんは、あそこの猫屋で働いているんだそうです。火端さんはご存知でしたか? 古葉さんって、大の猫好きなんだそうですよ」
「……うん?」
俺が怪訝に見ていると、「よし!」っと、掛け声と共に古葉さんが意を決して猫屋に入った……。
途端に……。
「ニャーー!! ニャー!」
「ニャー!」
「ニャニャー!!」
「だー! うるせーーー!!」
猫屋の猫たちが一斉に鳴き出し、古葉さんの大絶叫が木霊した。
「プッ……クスクス。そういえば、猫さんたちと古葉さんって、いつもこうなんです。古葉さんって、猫に凄くモテますから……」
「あははは。休憩がてら、猫屋をちょっと覗いてみようよ?」
「ええ。その方が古葉さんも喜んでくれます」




