それも罪?
「ご馳走さまでした!」
「巫女さん。今日も梅干し入りのおむすびでいいのよね?」
「はい!」
「ぼうずには、俺が作ってやるよ」
「ああ、ありがとう。おじさん」
おじさんとおばさんに地獄での飯を頼むと、俺と音星は早速二階へ行って、支度をした。
途中、古葉さんが俺が階段を登る時に声を掛けてきた。
「お前も変わってるなあ。そんなに地獄へ行きたいのか? 行ってどうするんだ? そんなところは、いずれいつかは行くはずなんじゃないのか?」
「いや、古葉さん。地獄へは普通の人は行かないんだよ。というか、罪を犯した人たちだけなんだ。地獄へ行くのは……なのに、俺の妹が……」
俺はカッと頭に血が昇って、急いでリュックサックを自室からぶんどると、民宿の外へと出た。外には音星が布袋を肩に掛けて待っていた。古い手鏡をあちこちから覗いては、コックリと頷いている。
「準備OKです! それでは行きましょうか。火端さん」
俺と音星が玄関先で、頷き合うと。
「あ、わりい! 訳ありか! 俺が悪かった!! すまーーーん!!」
後ろから、古葉さんの大声が追い掛けてきた。
「それでは、行きますよ!」
「ああ。今度は等活地獄の一個下の黒縄地獄へ行こうよ」
「ええ。妹さん……。見つかるといいですね」
黒縄地獄とは、盗みや殺生をすると落ちる地獄だ。
「それでは、準備はいいですね」
「え、ここで?!」
「はい。この鏡をずっと見つめていてくださいね」
俺は玄関先で、太陽の光を仄かに反射する古い手鏡を、じっと見つめた。
……
…………
………………
「火端さん。もういいですよ」
音星の声と同時に、ザンッという鈍い音が辺りに響き渡り。恐ろしい高熱が俺を襲った。




