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勇気と巫女の八大地獄巡り  作者: 主道 学


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20/113

2-17

――――


 音星とテーブルに着くと、もう一人のお客さんの古葉さんが廊下から歩いてきた。


「おはよう。巫女さん……誰? そいつ?」

「あ、俺は火端 勇気です」

「ああ、新しいお客さんか」


 古葉さんは、いわゆる不良のような人だった。だらしのないポロシャツを着ていて、髪はぼさぼさで茶色に染めている。


 背はひょろ長いが、程よく筋肉がついたナイスガイだった。

 歳は俺より上の大学生のようだ。


 谷柿さんもやってきて、おじさんとおばさんもテーブルに着くと、平和な朝食が始まる。献立は大根の味噌汁に、ご飯。それと、海苔と漬物に、エビフライと玉子焼きだった。


 俺のご飯だけ大盛りだったのは意外だったけど……。


「火端さん。あの……午後からは、この鏡でまた八大地獄へ行きましょう」

「ああ。あ、その鏡は? やっぱり普通の鏡じゃないんだろ?」

「ええ、この鏡は、浄玻璃じょうはりの鏡の欠片なんです」


 音星は、古い手鏡をテーブルの上に置いた。

 すると、みんなが朝食の手を止めて、一斉に鏡を覗きだした。


「じょうはり? ふっるい鏡だなあー。かなり昔からあるんだろ? これ? しかも、よく割れないよな」

「ええ。家の箪笥に大事に仕舞ってあったんですよ」


 古葉さんが半ば呆れて言って、音星が受け答えした。


「家の箪笥にあったのか?」

「ええ。この鏡は、そう遠くはないご先祖さまの代から、いつの間にかあるんですよ」

「確か、浄玻璃の鏡って。閻魔様が死んだ人の生前の善悪を見極める際に使う鏡だったっけ?」

「ええ、そうなんです。それと、この鏡は欠片ですから、地獄と現世に共通して存在しています。なので、地獄とこの世を、行き来することのできる光触媒というものになるんですって」


 テーブルの上の手鏡をおじさんが持ち出して、おばさんと覗きながら感心している。


「へえ。この鏡で地獄へねえ……」

「そうかい。大したものだな」


 おじさんとおばさんが頷き合う。

 俺は八天街の裏道にある神社の鏡も、これと同じ浄玻璃の鏡の欠片なんじゃないだろうかと考えていた。 


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