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勇気と巫女の八大地獄巡り  作者: 主道 学


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13/113

2-10

 等活地獄を鬼(獄卒)たちの目を盗みながら散々走り回ること数時間。

 結局、俺は妹を見つけられなかったんだ。


 やっぱり、ここにはいないんだな……。


 そして、その後に音星がどうやって、地獄へやって来れたのがわかった。


 かなり疲れたので、音星がいる岩間に戻るってくると、俺の食べ掛けのおにぎりがそのまま置いてあった。


 音星は依然として目を瞑って突っ立っている。


「あの。火端さんですよね。そこにいるのは?」

「ああ……」

「妹さんは……おりましたか?」 

「いや、いない。やっぱりもっと下の方だ」

「それでは、私たちも限界ですし、おにぎりもなくなりましたし、それにもう現世は夜遅いと思うので……」

「……あ、ああ」

「ここいらで、八天街のお宿へと戻りたいのですが……」

「……あ、ああ。って、え?……ええ??」

「火端さん? お宿は? どこかに泊まるところはないのですか?」

「うん。ないんだ」

「あ、そうですか。それでは、私の今寝泊まりしている。お宿をご案内いたしますね」


 俺は音星の言葉に終始、呆気にとられていた。

 今更ながら現世に戻れるのか?

 どうやって?


「それでは、お後がよろしいようで」


 そういうと、目を瞑ったまま音星は、肩から降ろした布袋から古い手鏡を取り出した。

 

 そして、俺の方へ手鏡を向け。


「火端さん? そちらにおられますか? 鏡……写っています?」

「ああ……今、その鏡に俺の姿が写っているよ」

「そうですか。そのままじっとしていてくださいね」


 音星の持つ手鏡が光りだした。


「では……」


 しばらく俺は、言われた通りに音星の持つ手鏡をじっと見つめていた。

 すると、手鏡の光は眩しさを増した。


「そのまま……そのまま……手鏡を見ていてください」

「ああ」


…………


 突然、車のクラクションが俺の耳に入った。

 辺りがすごく明るくなって、雑踏が少しずつ聞こえて来た。

 

 俺はびっくりして、後ろを振り向くと……?


「うん?」


 目の前には、バスで来た時に見た八天街のロータリーが広がっていた。

 

「え? え? な??」

「どうです?」


 音星の声の方へ首を向けると、音星は布袋を背負ってロータリーから大通りへと横断歩道をスタスタと歩いて行ってしまった。

 

「さあ、火端さん。お宿はこっちですよ」

「あ……ああ。さすがに驚いたよ」


 なるほど。

 こうやって、音星は地獄へ行き来していたんだ。


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