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「昨日の番組ずっと観てたら、またやっててさ。なんでも、広部 康介っていう奴は、愛したものを殺害してしまう病なんだってさ?? 確か」
古葉さんは最後まで、弥生のテレビ番組を観てくれたらしい。
「「?!」」
俺は一瞬だけど、みんなと同じことを考えたはずだ。
「それじゃあ、弥生は……」
「……」
俺の不安げな声に、答えられず古葉さんが急に無言になった。おじさんとおばさんも、谷柿さんや霧木さんまでもが、無言になった。
「あ……」
そうか……。
弥生の奴は、交通事故でとっくに……。
広部康介も今では、大叫喚地獄にいるんだ。
全ては済んだこと。
そう、終わってしまったことだ。
失われてしまった時間。
欠けてしまった時間。
全部、過去のことだ……。
「火端くん? あのさ。その火傷が治ったら、私と一緒に東京の銀座に行かないか?」
「銀座? 谷柿さん? なんで?」
「いや。広部 康介というリーダーが取り仕切る非合法グループはもう壊滅したけど、その組織の建物は、私が管理していたビルなんだよ。それに、そのビルにあるものでは、きっと、その金の腕時計が何かの役に立つんじゃないかな?」
「あ! きっと、そうだよ!! 谷柿さん! 行こう! 行こう!」
「わっ!! バカ! 火傷が治ってからだ!!」
俺は、谷柿さんの胸へと、嬉しくて飛び込もうとした。
気がつくと、音星が俺の肩にそっと手を置いてくれていた。




