表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

クラスの女子に仕事押し付けられて言われるがまま従ってたら、告白まで従ってしまった

作者: clutchJr.

初投稿です、よろしくお願いします


眠い…


朝登校して、鞄を片付け席を座って、一番最初に感じたことが睡眠欲だった

机の上で両腕を枕にして机に突っ伏して、寝ようとする


そんな朝の冴えない感じが特徴の俺、浅田 智章(ともあき)

ちなみに毎朝登校してはこんな感じで伏せてるのである


部活動の朝活はないが、少し遠くから来ているため、人より朝早く家から出ないといけない

そのため、普通の人が寝る分の睡眠をここで取ろうとしているのだ 


だが、その眠りを妨げようとする者がいる


「浅田君、起きて」

そう言って、俺を起こそうとしたのは、岡野という女

彼女の顔を見てないが、声で分かる


岡野は黒髪ボブで、紫の瞳、背丈はクラスの女子と比べると少し低いくらい

小顔だし、背も相まって可愛いという印象を思い浮かべるかもしれないが、普段から目つきがそこまで良くないため可愛いという印象は薄い

あと、感情をあまり出さないタイプであり、無表情が多い

それが故に、ミステリアスな雰囲気を醸し出している


彼女はクラスの学級委員を担当している

この日は日直も相まって早めに登校したようだ

総務委員で日直の彼女が俺を起こそうとしている理由は大体理由が付く


だから俺は無視した

何も聞いていない、俺は寝てた、うん…寝ているんだ…


「浅田君、起きて」

諦めない、今度はそれに加えてポンポンと背中を軽く叩いてきた

ここまでされるのだったらもう降参だ…


「ふぁあ…はいはい、今起きましたよ

それで何かご用ですか?」

「浅田君、手伝って欲しい事があるの」


「何を?」

と俺が聞く

大体朝手伝って欲しいことと言えば絞られるかなと予想はできる


「朝のショートホームルームで配られる資料が複数枚あるから一緒に職員室まで行って、取りに行きたい」


まあ…こんなところだろうなとは思ってたよ

断ったところで彼女は折れない 頑固な所がある


「はいはい、分かりました」

寝たいのだがと思いつつ、俺は渋々岡野と職員室へ向かい、プリントを取りに行った

そのせいか、プリントを職員室から回収した後すぐにショートホームルームが始まってしまった


◾️

俺は再び寝付けたのは一時間目が終わった後の休み時間だった


と言っても、一時間目の数学の時間に、ちょっとだけスヤスヤしてたなあと反省する

だから公に寝る事が許される最も最速はこの時間という訳だ


まだ眠気は全然ある

俺は再び両腕を枕にして寝ようとした


「浅田君、」

早速、俺のこの貴重な、睡眠時間であり、この静寂な1人空間の邪魔をするアイツが俺を起こしに来た


俺は今度は抵抗を諦め、渋々起きて、岡野をその眠たそうな目で見つめる


「今度は何ですか」

と聞いてみる


「黒板…消すの手伝って」


プリント運びの次は黒板を消す手伝いか…


そして俺は岡野と一緒に黒板を消した

ちなみにだが、このイベントが今日の3時間目の体育を除き、全ての授業にあったという事実は後の話である


◾️


今日の学校の授業が終わった

一時間目からの出来事をザッと振り返ると、三時間目の体育の授業では男子組はサッカーをして、女子組はテニスをしたようだった


サッカーでの結果?もちろん全然活躍できなかった


それからお昼休みは、俺の数少ないダチと昼飯を食べた

最近どうよという話題から会話が始まったような気がする

まあ、気分はぼちぼちかな


それからダチは今日の俺にかなり刺さるような内容を二件聞いてきた



一つは、お前いつも休み時間寝てんじゃんである

これに関しては寝る以外にトイレ行くか次の授業の教科書用意するかしか、選択肢がないからだ

ダチとは話さないのかって?俺からダチに話しかけたことはないし、第一、話しかけて聞く話もない

そして、今日は特別眠かったが、ずっと寝てるのは事実である

眠たいという感情が一つ、何もかもが面倒だという感情が一つある


そしてもう一つは、最近岡野と仲良いじゃんである

結論から言うと、向こうからの押し付けであり仲が良いことは断じてないと言ってやった

そもそも、今日の日直の黒板消しに限ったことじゃなく岡野はいつも俺に仕事を振ってくる

そう、学級委員が故の業務である

例えば、クラスで何かを決める時、黒板に書く人が決まっていなかった その際に、岡野は「浅田君、黒板お願い」と頼んでくる クラスの奴の前で堂々と


おかげ様で良くない噂を立てられたのかもしれない

俺としては迷惑この上ない話だ


ただ、抵抗しても、寝てたら今日の朝みたいに起こしてくる、断れば、「だって浅田君手、空いてそうだだったから」と言ってくる

まあ…俺が寝てるだけというのが原因ではあるとは思う


とりあえず、この話で今日の昼はダチに少しピリピリした

まあ、こんな噂ほっとけばすぐに消えるさと思っている


そして、今は帰りのショートホームルームが終わりかけている時である


「起立」

と岡野がいい、俺を含め全員が立ち上がる


そして「例」と岡野が言い、例をして、「ありがとうございました」ともう一度岡野が言いそれを俺らが繰り返し今日の授業は幕を閉じた


委員会の集まりや部活動のある奴らは部活動へ行く

俺はそれ以外だから帰る

部活か…俺は帰宅部に入ってる


運動部は、拘束時間が長すぎる、厳しい、何より俺が運動があまり得意じゃない

文化部は…あまり興味をそそられなかった


とりあえず、文化部や運動部の奴らは延長戦があるとして、俺はあとはもう帰るだけだった

距離あるし、部活動は元々やる気にもならなかったのある


今日は家で何の動画見ようかなと相変わらずつまらない人生送ってるなって考えてる時だった


「浅田君」

聞き慣れた声が俺の帰宅を止める


そう、岡野だった

学級委員の仕事も終わったし、今日はもう終わりのはずだが…


「浅田君、今日はありがとう 助かった」

と岡野がお礼を言ってきたのだ


「別に、まあ…暇だったしいいよ」

もうちょっと眠らせて欲しかったというのはあるが…


「はい、これ」

と岡野はそう言って、ポケットから何かを取り出して、俺に差し出してきた


「お、おうありがとよ」

とりあえず貰っとく


内容はというと


いちごのキャンディー 1粒だった


まあ…こうやってお礼をもらうのは実は初めてじゃない

岡野は俺に仕事を与えた日はいつも何かキャンディー系を俺に労働の対価として渡してくるのだ


彼女なりの気遣いというべきなのかもしれない


とりあえず岡野とのやりとりを済ませ、俺は下校した


◾️

と言った感じで、日直の時以外にも学級委員の仕事があると俺に手伝わせたり、頼んだりする岡野


俺も俺で寝ているだけが休み時間の過ごし方なのも悪いということはあるが…だからと言って俺ばっかに仕事を押し付けやがって、と思う


そんな日々が2、3ヶ月程続いた時だった


この日は再び岡野が日直だったこともあって、黒板消しの手伝いや学級委員の仕事を少し手伝わされた


最低でもあと半年以上はこの生活が巡り巡ってくると思うと少しムッとなった

しかしながら、俺も男である


ムッとしながらも女の子の頼みは引き受けるべきだと思う所がある

だからこそ、俺は少しお人好しなのかもしれない


その日の放課後になった


「浅田君、日直の日誌を職員室まで届けてくれない?」

相変わらず変わらない口調で言ってきた


「はいはい、分かりました」

またいつものか、と思った


しかし、この日は少し様子がおかしかった


「あの、浅田君…もう一つ

今日…一緒に帰らない?」

岡野が一緒に帰ろうなんてことを言い出したのだ


「別に、何もないからいいけど 話すことないも無いぞ?」


「私が用があるの、だからお願い」

相変わらず引き下がらない奴だ…


俺は渋々、職員室へ行った


面倒くさい業務を済ませてから俺は下駄箱で靴に履き替え、学校を出た

岡野が学校の門の前で待っている


「言っとくけど、途中でバス乗るところまでな」


「うん」


「それで、話って何だ」

岡野が俺にしたい話とは何なのか 


「浅田君、いつも私の手伝いしてくれてありがとう」

なんだ、いつものお礼かと俺は思った


「礼なんていらないし、お前は俺を酷使しすぎだ」

珍しく俺が直接人に文句を言った


「気をつける、けど一番空いてそうなのが君なんだけど」


「なんだよそれ、空いてるからってあんま俺ばっかり使おうとするなよ」


「あとね、もう一つ理由があるの」

理由もう一つあるのか…一体なんなんだ


「なんだよ話してみろよ」

俺がぶっきらぼうに返事をする


「あのね、私…」

そう言いかけた瞬間、一瞬だけ岡野は言葉を詰まらせた

そして、




「浅田君のこと好きなの」





と…俺は一瞬どういう気持ちをすれば良いのか分からなくて

「え、それどういうこと」

と返事をしてしまった


「だ、だから…私は浅田君が好き」

繰り返し岡野がそう言った


マジで…マジか…

俺にはそう思うことしかできなかった

まさか岡野、よりにもよって俺なんかを好きになってしまったのか 


「お、おう…なんかありがとな」

ありがとな、じゃねえよ

これどうすりゃあ良いんだよ!?

好きだったら何て返事すりゃあいいんだ!


「浅田君、だから」

岡野が再び何か言ってくる


「おう」

俺が返す


「もし良かったら、私と付き合って」


「…分かった」


この瞬間、俺の脳内の思考はほとんど止まっており、つい岡野の告白を受け入れてしまった

俺たちは別れ際のバス停までそれから一言も話せなかった


バスの中、俺は返事をオーケーしてしまったことに対して並々でないほど、後悔はしていないかを振り返ってた

今まで付き合った奴なんていなかったし、岡野は少し変なところはあるけど、良い女だなと思う

だから、断る理由は見つからなかった


だけど、これで良いのか俺…




あれから、1日過ぎた

俺たちの関係はというと…学校では変わらなかった

いつも寝ている俺に雑用を押し付ける岡野という構図が覆らない


ただし、変わった事が二つ


一つは、お礼のキャンディーが手作りお菓子クッキーに進化したのだ

ちなみに、めちゃくちゃ美味かった


そして、放課後は毎日少しだけだが一緒に帰っている


ここから、俺たちの青春は始まった


いかがでしたでしょうか

色々と不慣れな所があったとは思いますが、もしよろしければ今後の期待を込めて下の☆☆☆☆☆で応援してくださると嬉しいです


色々と他ジャンル含めネタは考えてるのですが、何せ臆病者でなかなか勇気が出ないものでして…笑

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ