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(3)『地下生活者の記録』

(3)『地下生活者の記録』



破滅なる夕暮れ、とぼとぼと、下を向いて歩く、一人で夜の制裁を受ける、地下生活者の記録としては、些か物足りない感じもする。しかし実際、この孤独感というものは、強烈に脳髄を脅かす。記録としては、記録なのだ。

それにしても、地下生活は、充分に疲弊した精神の行き場なのだろう。記録とはいっても、実録ではない。云わば、思い出して、記録としてのこしている、といった具合か。学生時代、漢文には弱かった、古典には強い方だったと思う。



この、云わば、国語、とは言えども、現代文、古文、漢文、という風に分けられ、また、文學、語学にも分けられるという、国語はとても難解な教科なのである。地上生活で、俺はこれらを、他の教科も含めて、習った訳である、学んだ訳である。

しかし、今現在、これらは、俺を、地上生活から、地下生活へと送り込んだ。何が駄目だったか、ではない、俺が悪かったのだ。俺の享受の仕方が、悪かったのだろう。自殺者、芥川を筆頭に、心中者、太宰など、これらは、反面教師として学ぶべきだったのだろう。



しかしもういい、今、この状態を、何とかやりくりするしか、脳のない俺は、ただひたすら、この地下生活に耐えねばならない。抜け出さねばならない。これらが負の遺産ならば、これを正の遺産に置き換えねばならない。

当たり前のこと、というものも、懐疑せねばならない。畢竟、当たり前のことだと思って、やってきた当たり前のことが、当たり前のことではなかったから、こんな地下生活者になったのだから。もう一度、パースペクティブを、創造せねばならないのだろう。

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