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(20)『地下生活者の記録』

(20)『地下生活者の記録』



長い長い旅を終えたかの様な、適度な疲労感がある。我々には我々の生活がある。しかしどうだろう、地上の地震や戦争が、人々の精神を変えてしまうのだ。えげつない、その狂乱衝動を、地上に見る。それに比べて、地下は、明るいものだ。

何一つ不安なき、この地下生活者として、俺は一人君臨している。誰に気を遣う訳でもない。ただ、金がない、金がないことだけは、確かではある。そんなことは、どうでも良い、という訳にもいかない。現に俺も、地球人の一人だろう。



俺を宇宙人だと思って居たやつがいたとして、確かにそいつが思うなら、そいつにとっての俺は宇宙人だろうが、そうだろうが、何だろうが、そんなことはどうでも良い。地下に住んでるから、尚更、人の目なんて、どうでも良い。

話は、この小説が終わり出すから、飛躍しよう。金の問題、これはやはり、天から降ってくるものである、ということだけは虚体である。そんな現象は、虚体以外の何ものでもない。詰まるところ、地上では、労働の対価として、金があるだけだ。



そんなことは知っていたさ。しかし、働く場所がないから、労働が出来ずに、対価が貰えないということだから、この小説を読んで、君はどう思う。太古に遡れば、俺は氷河期生まれだっただろう。恐竜と戦って、その肉を食っただろうか。

しかしもういい、地下生活者の記録、これはここまでだ。これ以上はない。点で分からない理屈を知るよりも、動いた方が、良さそうだね。取り敢えず、地上に出て、この地下生活者の記録を持ちながら、様々を見てみるよ。新しい発見のうちに、何時かこの記録が必要なくなるまで、歩くとしよう。

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