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大唐西域記演義  作者: 河谷守
16/23

十六 三人の弟子、総力をもって戦う

一方の玄奘は虎先鋒が出ていくと、涅槃ポーズを取ってすやすやと昼寝をし始めた。

「さらったは良いが中々に肝の据わった坊様じゃな」

黄風大王は若干面食らったが、玄奘の実力が分からない以上こんなもんである。


さて、洞の入り口まで虎先鋒が出てきてみると、粉塵を背景に孫悟空、猪八戒、沙悟浄の三人が待ち受けていた。

「おう、貴様先程の妖怪よの、三蔵法師に手は出しておらぬようだな。感心感心」

「手を出したら出てこないだろ」

「それもそうか。妖怪、手を出してくるか?」

ちょっと待て何を言っている?

「何を訳のわからぬことを!先ずは貴様らを血祭りにあげて、それからのんびり食らうのよ!」

叫びと共に踊りかかる虎先鋒。

「お、意外に速いぞこいつ」

虎先鋒は悟空の脇をすり抜け悟浄に斬りかかる。

ひょいと悟浄がそれをかわすと、八戒が釘鈀をぐるりと回して立ち塞がった。

激しい金属音を立てて虎先鋒の爪が釘鈀の柄とぶつかる。

「そりゃそりゃそりゃ!」

矢継ぎ早に攻めかかるが総ていなされる。

「中々やるな!大男!我が名は虎先鋒!好敵と見た」

「敵ながら気持ちの良い奴、我が名は猪八戒!参る!」

「そいつ豚だけどな。あ、俺孫悟空」と猿

「気を抜くな、腹が出るぞ。因みに俺、沙悟浄な」と竈男

「やかましわい!後でおめぇらもブッ飛ばす!」ぶひ

よそ見をした八戒の隙をつき、虎先鋒の鋭い爪が八戒の喉笛を掻き切った!


はずだった。


だが、残念ながら虎先鋒は何が起きたのか知ることもなく、八戒の釘鈀に叩き潰されて絶命していた。

「しまった!不殺の教えを破ってしまった!」

「戦いの果ての事故だ。気にするな」

見ると虎先鋒は巨大な虎に姿を変えていた。

虎先鋒の死骸に手を合わせると、三人は洞の奥に向かった。


「おや、意外に時間がかかったな」

振り返って黄風大王はギョッとする。

「こ、虎先鋒はどうした?」

無言で合掌する三人。

「ぬぬう!間抜けなツラに似合わず非道な!」

坊さん喰おうって奴に言われたくは無い。

「ええい!これでも食らえ!」

黄風大王がぐるりと手を回すと砂塵が巻き上がり三人を襲った!

「うわ!しまった!」

モロに目に砂が入る悟空。

悟浄は巧みに岩陰に身を隠し、八戒は咄嗟に背を向けて砂塵を防いだ。

目を瞑り如意棒を構える悟空。ただし黄風大王に尻を向けている。

「わはははは!どこを見ている愚か者め!」

悟空めがけて牙を剥き襲い掛かる。

大きな破壊音と共に洞内にこだまする叫び声!

「ぐわぁ!」

倒れているのは黄風大王。

悟浄が横から杖で顔面を払ったのだ。

「悟空殿、後ろ後ろ!」

「ぬ!こっちか!」

如意棒が見事にヒットする。八戒の腹に。

「ぐへっ!」

更に振り回す如意棒が玄奘の頭部を襲う。


がし


無造作にそれをつかんだのは玄奘である。

「悟空よ、落ち着いて気配を読みなさい」

「あれ、三蔵様?!」

再び敵に尻を向ける悟空。

こいつならやれるな

黄風大王は悟空に狙いを定めた。

「食らえ!」

砂塵と共に舞い上がる黄風大王。

悟空の喉元めがけて目にも留まらぬ速さで飛びかかった。


グシャ!

 


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