表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

頼庵のエッセイ集

見えていないもの

作者: 藤谷 K介(武 頼庵)

※経験をもとに書き下ろしたものです。

※強要しようとする意図は有りません。


 最近エッセイを上げる事が普通になってしまっている自分がいます。

 それと同時にエッセイしか書いてないんじゃないか? と思われているんじゃないかと思ってしまいますが、自分はエッセイストではない……と思ってますので、こうしてあげるエッセイがメインではないです。


 さて、本日のエッセイのテーマは――。

 自分にはまだ経験が無いので、『見えていないもの』もあるよね? という話。

 わたしは持病があるとお話してきましたが、これにもまつわる話ですね。


 実のところを言うと、我が両親(すでに他界してますが)も持病を持っていました。私が小さい頃に母が既に毎週のように通院しなければならない身体で、父親も私が高校卒業するころに病気と怪我を負い、日常生活に支障をきたす体になってしまったんですが、そんな両親の遺伝子を持った私がならないわけがなかった。きっちりと二人から(祖先からも)その因子を受け継ぎましたね(笑)


 幸いなことに、我が家は仲のいい姉兄が居まして、出来ることは皆で分業するのが誰から言われなくてもする我が家のルールとなったわけです。


 しかし時には、両親の通院日が重なってしまう事もあるんですよね。そうなると自ら運転ができない二人を送迎することになるんですけど、そうすると『誰か』は必然的に付き添うことになります。


 そうなると仕事を休むことになるんですけど、当時はまだこれが厳しかった……。

 時には月に数日休みの申請をしなくてはいけなかったりするんですが、そうするとまずは職長さんに相談する。この職長さんは家族思いの方だったので、理由を話すだけで「大変だけど、頑張れよ!!」なんて声を掛けてくれる優しい方でした。


 一方――。

 その上の職についている方に関してはまぁ話が通じなかったことが有りましたね。頭ごなしに「それはダメ!!」「また!?」「無理無理無理」と拒否される事複数回。


 こうなってしまうと話が進まないので、その方よりもさらに上の方に話を通すことになってようやく、休暇を取ることが出来るのですけど、あとになってからはそのことに関しても休んだことに関しても、ねちねちとしつこく言ってくるという……。

 今思い出してもむかむかしてきますが、そんな経験をするのが日常茶飯事。


 そんな会社辞めたらいい。 転職して話を聞いてくれるところへ行けばいい!!

 そんな感想をお持ちですよね? 分かります。

 確かに協力的な方がいる会社もありますし、会社自体がそういう事に関して温かなところもあります。


 でもね?


 初めは確かに優しかったり、話の分かる方々は優しく温かく見守ってくれるんですよ。

 しかしですね、良く考えてください。私の場合は毎週必ず休まなければならない月があるか、又は月に何度も休んでしまう事があるという事を。


 初めから協力的な方は、家庭の事情が分かっているので、特に問題なくいつも通りに接してくれます。ただ……同僚などはそうじゃない。

 わたしが『贔屓されている』『特別待遇』を受けていると感じる人が出て来るんですよ。又は初めからそう思っていたけど、後々になってから言い出していたのかもしれませんが。


 これは自分が感じた限りでのことなので、本当にそうかは分からないところではありますが、そう感じてしまう方々は『身内にも、自分も病気になってる人が居ない、又はなったことが無い』方が多いですね。

 わたしと同年代だった人たちは、年を重ねるにしたがって理解してくれる方もいました。それはその方の環境が変わって、そういう方を見たり一緒に住んだりする経験が出来たからでしょう。その逆に私達よりも若く、年下の方々などはそういう事を経験したことが無い。見たこともない方がいらっしゃるかもしれない。

 そうなると私がしていたことなどはそういう風に思われても仕方ないのかもしれません。

 

 自分が見て触れて経験した事が無ければ、その人がどのように『辛い』のかは分かりませんよね。家庭環境もそうですし、病気の事もそう。 

 結婚も離婚も、出生も病気入退院も、その方達からすれば未知で他人事。それは少しくらいは同情したりするかもしれませんが、結局の所最後には関心は薄れていくでしょう。


 等の経験が重なると、どうしてもその環境には居づらくなります。次を求めるけど、次も同じかもしれないし、今以下かもしれない。そんな不安を持ちながら生活していた時もありました。


 自分が今目の前で見ている人の事。本当にわかってますか?

 見ている様で実はまだ『見えていない部分』もあるのではないでしょうか?

 

 最近ではそういう風潮も少し変わったような気はします。会社側が率先して家族優先を唱えているところも増えてきました。これは欧米に倣ったものかもしれませんが、それで救われる方もいらっしゃるのも事実で。

 これも時代の流なのでしょうね。


 見て来た事、聞いた事だけに捕らわれず、気になるのなら聞いてみればいい事ですし、聞かれたらその人も話してくれるかもしれない。話を聞いてくれるだけでもありがたいと思ってくれるかたは大勢います。


 それを話を聞いたから絶対に手伝ってやれ!! なんてことは言いません。


 もしかしたら先の人生では自分に待っていることかもしれない。


 自分がまだ見ていないもの、見えていなかったモノにも少しだけ気を向けてみませんか?

 他人(ひと)にも自分にも優しくなれるかもしれません。


 私もまだまだ人生の旅をしている途中です。経験はしてきている事は多々ありますが、それでもまだまだ不足している感は否めません。


 自分が視てきた経験を活かしつつ、まだ見えていないものを吸収し、していただいた事へ出来る限りの恩返しと、出来る限りの優しさで応えていきたいと思っています。そして同じような経験をなされている方にも、自分が出来ることは少ないですが、小さな優しさでもいいのでお届けできたらな……と思っています。

 

 



 こんなところで今回のエッセイは閉めたいと思います。

 お付き合いいただきまして感謝です。


 


 

 

 

お読み頂いた皆様に感謝を!!


今回のエッセイはいかがだったでしょうか?

人それぞれに生きている環境がありますから、すべてを把握しする事なんて不可能ですよね。ただ周りにいる方々の事をもう少し分かってあげる事が出来るかもしれない。見ていなかったところを発見できるかもしれない。なんて思ったので書いたモノです。


 自分以外の人には関心が無くなってきていると言われる現代社会。

 

 どうなっていくのでしょうね。


 後書きまでお越しいただき感謝です!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] >見えていないもの 確かにたくさんありますね。 私は大学生なので、社会の事はよくわかっていません。 しかし大学の中でも、様々な人間関係があり、それも社会の縮図だと思っています。 中には自分…
[一言] 難しい問題ですよね。 仰る通りだと思います。 他人の事情って分かりづらいですよね。 だから説明して伝えることが大切だなって思います。 分かってくれる人はいると思うんですよね。 働きやすい…
[良い点] これって難しい問題ですよね……。 少人数で会社をまわして「ヒィヒィ」言っている社長や社員たちからとれば、なるべく(特に社員には)休んで欲しくない。 むしろ、「そんな家庭なら辞めればいいんじ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ