表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/10

7.想い

 しばらくの間、沈黙が続いた。百合香と由紀は男子たちをにらみつけたままだった。

百合香「紗奈、帰ろ。」

紗奈「えっ…?」

 突然の言葉に、紗奈は驚いた。てっきり、まだ責め続けるのかと思っていたからだ。

由紀「もう、こんな奴らに話すことなんてないよどーせ、謝らないんでしょ?」

 そういうと、百合香と由紀はもう一度強くにらんだ後、くるりと、自転車がとめてある方向を向いた。

 紗奈は迷っていた。このまま関わらずに終わりたいという気持ちと、男子たちが責められるのは嫌だという感情がどろどろと混ざっていたからだ。

 あと一歩、踏み出せたら。今日だけで何度そう思ったことか。

紗奈「私…る… 」

百合香「え?紗奈、なんか言った?」

 紗奈は、同じことは繰り返したくない、と思った。

 今まであと一歩を踏み出せなかったのは、きっと嫌われるのが怖かったのだろう。でも、今変わらなければ、一生何も変わらないように紗奈は感じた。

紗奈「私、ここに残るよ。」

由紀「…え?」

 由紀と百合香はとても驚いていた。しかし、すぐに紗奈を残してどこかへ行ってしまった。


…………………………………………


紗奈「これからどうしよう…」

 一人きりになった紗奈は、これからどうしようかと考えていた。一人で直接謝りに行くことは、まだ怖くてできなかった。

紗奈「…あ。」

 紗奈は、ふと、一つの方法を思いついた。しかし、それは男子たちに何かしらの影響を及ぼす可能性は低いと思った。紗奈が変われるわけでもない。

 それでも紗奈は、やるしかないと思った。

 紗奈は、カバンからスマホを取り出し、何かをやり始めた。

紗奈「…お願い。」

 とても小さな声でそうつぶやいていたのを、誰も知らないだろう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ