4.桜木公園
紗奈たち三人は、自転車で桜木公園へ向かった。冬の冷たい風が吹き抜けていった。
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由紀「は?いないじゃん。」
百合香「ありえないわー。」
紗奈「いや、私が悪いから…」
桜木公園についた紗奈たちは異様な雰囲気をかもしだしていた。紗奈はとまどい、他の2人はとてもイライラしていた。
由紀と百合香は紗奈の話を聞こうともしない。低く、威圧感のある声に、紗奈は一歩下がってしまった。
ふと、百合香が 緑の家を見た。緑の家は、桜木公園から見える範囲にある。そこまで行くのには一分もかからないだろう。
百合香「なにあれ… 」
百合香の言葉を聞いて、紗奈は緑の家の方を見た。そこには、たくさんの自転車が止められていた。紗奈は、友達の家で誰かが遊んでいるのだろう、戸しか考えず、何も不思議に思わなかった。だが。
百合香「あれって、氷河たちの自転車だよね?」
紗奈「え…」
由紀「うっそ。最低じゃん。」
紗奈は自分が悪かった、寒い中待たせる方が迷惑だと思った。仕方ないとしか思えなかった。
しかし、百合香と由紀の口調はどんどん強くなっていくばかりだった。
紗奈は、やめてという言葉が言えなかった。自分が悪いのに、なぜ男子たちが責められなくてはならないのか。紗奈は、はっきり言えない自分が悔しかった。
由紀「紗奈、火影公園行こ。」
火影公園は桜木公園と隣り合わせになっている、少し小さな公園だ。
由紀は紗奈の手をひいて、すたすたと歩いた。百合香も二人について行った。