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爆縮と体温の機知(13)

夏場の田舎道

空気を取り入れて吐き出す

呼吸のような空間の揺らぎと

夏の暑さに挟まる夕方の

なんとも言えない冷ややかな温度差は

田舎にしか無いのかもしれない


土多めの牛丼みたいな農村は

遠くに牛の鳴き声

朝になれば鶏

昼になれば起き始めた猫

音にびっくりした犬

夕方の烏と蚊

蜻蛉が頭上を行き来しながら

二酸化炭素を探している

それに気づくと羽虫が

集団で追ってくるのが見える

自転車に乗っていると

口に入ってくるタイプであり

マスクが必要なのだ


命が五月蝿い田舎では

人も虫も他の生き物ですら

同時に主張している

その煩さがうざったい形にもなれば

その煩さに守られていたりもする

孤独になれない

孤独にしない

なると決めなければ

なれないものになっている

その選択肢の多さを

知った上でのうざったさ

愛してこその人間である


蚊取り線香の煙が

扇風機の中に吸い込まれて

正面から香りと共に出てくる

今日は湿気が多いから

エアコンの除湿でもつけようか

家の外の灯りには

夥しい量の虫が張り付いている

今年はクワガタムシは来るだろうか

そんな状態を

孤独とは呼ばないだろう






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