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孤島色のトラップ  作者: violet
事件編
5/25

4話

 プライベートジェット機から降りた僕たち。すぐ側には海があって、ジェット機は砂浜を抉るように留まっていた。


 僕は深呼吸をして、外の綺麗な空気を吸った。機内はやはり血生臭かったようで、しかし僕たちの嗅覚は麻痺していたようだ。外の空気を吸ったことによって、それに気がついた。


 海鳥が鳴いていて、海からは波の音が聞こえてくる。海の反対側、つまり陸の方は木々が生い茂っている。死体を積んだプライベートジェット機が無ければ、とても良い場所であった。


「うん?」


 と僕は呟く。癖でポケットに両手を入れたら、紙のような感触がした。それを掴んで外に出すと、どうやらパンフレットのようであった。


白銀乃々(しろがねのの)主催、美術サークルの合宿……」


 白銀乃々。人名だろうか。


 ともかくパンフレットの内容を読み上げていく。


 やはり白銀乃々は人名のようだ。どうやら白銀乃々という人物は、北海道にある大学の美術サークルに所属している。そして今回、その美術サークルの旅行を企画したようだ。


 その白銀乃々という人物は白銀財閥のお嬢様で、かなりの金持ちであった。白銀家のプライベートジェット機で北海道から現地へ向かう予定だったそうだ。


 そして参加メンバーがパンフレットに記載されていた。


「うーん?」


 その名前の一覧を見て、僕は唸った。そして海を眺めている二人を見る。Cカップは青いTシャツにショートパンツ。かなり脚を露出していて、ちょっとエッチだ。Dカップは黄色のTシャツにロングスカート。


 そして僕は、赤いTシャツにジーパンを穿いていた。


 僕は自分の来ているTシャツに、ワンポイントが入っていることに気がつく。Hokkaido Art 。それぞれHとAが大きく書かれていて、HAと読ませたいようであった。


「ちょっと、二人とも」


 僕は二人を呼んで振り向かせる。やはり二人のTシャツにも同様のワンポイントが入っていた。


 僕は再び機内に入った。やはり血生臭く、どんよりとした空気である。僕はお構いなしに死体の服装を確認する。


 死体は3つ。白いTシャツを着た女性、桃色の女性、そして緑色の男性。やはり同様のワンポイントが入っている。


 僕は外に出て、二人を呼んだ。


「僕たちの名前が分かったよ。美術サークルのメンバーの名前には全員、色が含まれていたんだ。そしてその色に合わせたサークルのTシャツが配られていた」


 つまりパンフレットの一覧と今着ているTシャツの色で、名前の判別が出来る。


 僕は赤矢(あかや) (さとし)。赤いTシャツを着ている。

 Cカップの強気な子が青谷(あおたに) 美香(みか)。なので青いTシャツ。

 Dカップのお提げの子が黄島(きしま) 紗椰(さや)。黄色のTシャツだ。


 そして機内にある3つの死体。


 桃瀬(ももせ) 優衣(ゆい)。女性。

 緑川(みどりかわ) 琢郎(たくろう)。男性。

 そして旅行主催者でプライベートジェット機の持ち主であった白銀(しろがね) 乃々(のの)。女性。

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