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孤島色のトラップ  作者: violet
解決編
12/25

1話

 白銀島(しろがねとう)と呼ばれる島に、6名の死体が上がった。どうも白銀家のプライベートジェット機がたまたま、白銀家が管理する島に不時着したらしい。


 そして乗り合わせた犯人は5名を惨殺し、そして首を吊って自殺したそうだ。


「白銀島ね」


 俺は船の先頭に立って、その島を眺める。


「まーた、とんでもない事件が起きましたねえ、小田切(おだぎり)さん!」


 と女性が隣に立って言った。いかにも俺は、小田切 五郎(ごろう)という名前であった。


「うっせーな、山田(やまだ)ぁ! お前、声がでけえんだよ」


 俺が山田と呼んだこの女性は、山田 志保(しほ)。刑事である俺の部下だ。


「はい、すいませんっ!」


 山田は元気よく謝罪するが、その声すらも喧しい。


「それで、事件の内容は」


 俺は山田に尋ねた。


「えーとですね」


 山田は手帳を開く。


 遺体は6名。まず白銀家のプライベートジェット機の中に、三つの遺体。三つの内二つは頭部が激しく損傷されていて、そして一つは首から切断(・・・・・)されている。


 遺体の状態はそれぞれ異なるが、しかし全て機内に常備されていた防火斧が凶器だと思われる。


 そして島の東側にある崖の下に一つの遺体。これも頭部が激しく損傷しているが、転落時の衝撃によるものだと思われる。


 そして101号室の部屋に遺体が一つ。これは鈍器による撲殺で、近くにあった椅子が凶器だと思われる。


 そして最後が、205号室に遺体が一つ。これは天井のフックに縄が繋がれていて、そして遺体の首に繋がれている。


「それと……」


 山田はさらに説明を続けた。


白銀さんを除く(・・・・・・・)全ての遺体は、名前に含まれる色のTシャツを着ています」

「名前に含まれる色?」

「はい。例えば、被害者の赤矢さんなら、赤いTシャツといった感じです」

「ふーん。それで、山田の見解は」

「まだ鑑識が終わっていませんが、黃島さんでしょう。首を吊って自殺。机には遺書がありました」

「その遺書の内容は」

「えーとですね……」


 山田は手帳を見る。


「私が全て殺しました、とだけ」

「なんだそりゃ。動機は」

「さあ。しかし被害者たちが所属していた美術サークルで、過去にトラブルがあったそうです。実は、いじめが原因で自殺したメンバーがいます。黒田 (あつし)という方なんですが、それが関係しているのかと」

「ふーん、なるほど。黃島はそいつに惚れてたわけだ。だからいじめをしていたメンバーを皆殺しに」

「そうだと思います」


 俺の意見を、山田は肯定した。程なくして、俺達は白銀島に上陸した。

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