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世界崩壊と彼と私と。

作者: 弥彦乃詩

僕たちが何とかしなければ、確実に世界は崩壊するのです。困ったものです。


そう言って本当に困ったように微笑んだ彼が何を考えているのか、私にはわかりませんでした。別に私たちが何をしようと世界は崩壊しないだろうし、何もしなかったとしても世界が崩壊するなんてことはないでしょう。もし、核兵器のスイッチを持っていれば世界が崩壊する可能性があるかもしれませんが、こんな一人の学生が世界の命運を左右するような、そんなスイッチなど持っているわけがありません。


彼の設定では私の親友がそのスイッチを持っているらしく、それは本人に知られてはいけないそうです。彼はイケメンなのにもったいないな、とは思います。真剣な顔で相談事をされたと思ったらこれですよ。まあ、親友との橋渡しとかそんなところだと思っていた中での、そんな発言ではあったので面白くはありました。だからその後も話を聞いてしまったのでしょうね。


そんな彼は親友に超能力者だと言ってちょっかいをかけていたそうです。きっと、そういうことに興味のない親友に無下に扱われ、私のところに来たのではないでしょうか。そう思うと少し可愛いです。


それはいいのですが、こともあろうか、その親友が世界を崩壊させないように私に付き合ってほしいといいだしました。正直彼のことは何も知りませんし、付き合う理由として世界が崩壊しないためだなんて、彼の頭が崩壊しているのではないかと心配になってしまいます。


……でも、そんな彼に魅力を感じてしまったのは悪いことでしょうか。イケメンが付き合ってほしいと言ってくれる。打算しかありませんがそんな関係も悪くないかなって思ってしまいました。



「いいですよ。その代わりに私のことを振ったら、親友にぜーんぶばらししちゃいますからね」



私は気が付くとそう答えていました。やっぱり世の中は顔が全てではないけれど、あったらあっただけいいものですよね。こうして私が簡単になびいてしまうように、イケメンはお得なのです。彼の手を取り歩き出すと、彼はそのことに驚いたようで、顔を真っ赤にしていました。


これからの日常がちょっと非日常になって、それが日常になることを祈って、私は彼に微笑みました。

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