天才 状況確認2
この世界のご飯はあんまり美味しくありません。
材料は揃っているのに、使い方がよく分かってないのが主な原因です。
状況確認、続行中の私、ベル。
今日は母に連れられて、市場に来ている。
というのも、相変わらずの過保護にうんざりして、一か八か有り得ない程駄々を捏ねたことで、外出が解禁になったのだ。(記憶が戻ってから)ちなみにそこである発見があったのだが、それはまぁ置いといて、
今日は食材の買い出しと、私の散歩が外出の目的である。
市場は、屋根の色ごとに売っているものが違くて、
赤 肉や乳製品
緑 野菜・果物
黄色 スパイス
紫 布、糸
青 その他
という具合だ。
まぁ、私の家やパン屋、レンの鍛冶屋などのお店も有って、かなり活気づいた町のようだ。景気も治安も良さそうで、王都から離れた下町だと思えない。国王陛下の賢王ぶりが伺える。
リーンゴーンガーンゴーン
王都の鐘の音がここまで聞こえる。
グーーーー
私のお腹の音もなっている。
「ベルちゃん、お昼にしましょうか。」
「…うん」
天才だってお腹は減る。
いや、食文化が知りたかったんだ。
嘘だ。ごめんなさい。
「すみません、パンを2つ」
「はいよ、40シードだよ」
買い物する母をジッと見つめる。
この国の通貨はシード。由来はよく分からない。1シードは1円と同じくらいの価値がある。分かりやすい。
家に帰って、朝の残りの味の薄いスープと、買ってきた硬そうなパンを食べる。
ガツン、ガツン、ゴボリ
パンの音ではない。石をかじっている気分だ。
「ベルちゃん、スープにつけて食べるのよ」
なるほど。だけど正直そのスープも美味しいとは言えないから、なぁ。
この家、というかこの町の料理は正直私の好みではない。味は薄いし、パンは硬いし、食材の臭みが取れていなくてお世辞にも美味しいとは言えない。
もう少し裕福な家庭だとスパイスを入れるらしいけれど、どんな料理にもカレー粉もどきやハバネロもどきをかけるのは嫌だ。
最初に取り掛かるとすればこれだな。
ニヤりと笑う私に母が首をかしげる。
短い!ごめんなさい!
次には魔法的なやつが来ます。