天才 異世界参上 の一歩手前
拙い文章ですが、お付き合いください。
「お前は、普通の子達とは違うんだ」
父の言葉がずっと脳内で流れる。
東大卒エリート官僚の父と、ハーバード卒教授の母の間に生まれた私。
母譲りの端正な顔立ちと、それぞれから受け継いだ素晴らしい頭脳を持って生まれた私は
きっと誰から見ても幸運で幸せな人に見えるだろう。
でも、そんな事は無かった。
両親はいつも仕事で家にいない。私をここまで育ててくれたのは家政婦さんだ。
父は娘に自分のキャリアを超えさせようと、必死になり弟が生まれた3歳の頃から英才教育が始まった。
ただいまと声をかけても、お帰りと言ってくれる人はいない。勉強に習い事にと忙しかった私は、弟ともロクに話さなかった。
学校では、妬みや僻みで避けられてしまい、唯一出来た友達も高校で別れる事になっている。
羨ましい?幸せそう?
どこが?
憧れる?
こんな寂しい日々がいいの?
私が一番最初に喋った言葉は、かせーふしゃんだったんだよ。
どれだけ寂しくても、それを顔に出してはいけない。父さんに叱られる。
辛くても、常に何事も1番にならないといけない。じゃないと本当に1人になる。
がっしゃん!!!!!
何がぶつかる音が大きく響く。
誰かの悲鳴と車のブザーが空にこだまする。
倒れているのは子供を庇った里歩だった。
サイレンの音が近づいてくる。
足音が聞こえる。
「大丈夫ですか!?」
大丈夫なわけないでしょ。見たら分かるよね。
これはダメだと自分でも分かる。もうすぐ私
は死ぬんだな。
担架に乗せられていく。パトカーのサイレンが聞こえる。
あんなに頑張ったのに、最期までひとりぼっちなのか。今までしてきた努力も報われずに1人で死んでしまうのか。
流れてくる走馬灯。両親が出てこないことが一番悲しい。
ねぇ、これが羨ましい?憧れる?
意識が消える前に聞こえてきた声。
「あぁ、可哀想に。」
ずっと、その言葉を求めていた。
ぼちぼち更新しまーす。