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輝き

作者: まるごとなろう

 私の趣味は旅行先で見た何気ない景色を写真に収めることです。まぁ、とは言っても別に一眼レフカメラ等の本格的な機器を使って撮影してるわけではなく、単にスマートフォンに搭載されているカメラ機能を使ってでのお遊びみたいなものですが。

 

 そんな私は今日、京都に訪れてみました。さすが古都なだけあって、有名な観光地がたくさんあり、一日中動きっぱなしで大変でした。

 今は京都駅内の大階段に座り、今日撮れた写真を見直しているところです。なかなか良い写真がたくさん撮れたので、今日はかなり満足です。

 これで明日からの仕事も頑張れます。


「ふぅ……」


 ずっと画面を見続けていたせいで目が疲れた私は、視線を前へと移しました。

 目に入るのは眩しい光を発する巨大なクリスマスツリーです。周囲はたくさんの人々で賑わっています。

 一年は早いもので、もう今年も終わりに近づいてきました。まぁ、そのほとんどは仕事に明け暮れる日々で、たまに休むことが出来る週末には、今日みたいに旅行に出掛けていました。いつも同じことを繰り返す日々の中で、それだけが私の楽しみでした。

 何か寂しい気分になってきた私は、それを振り払おうと、またスマートフォンを構えました。最後にクリスマスツリーを撮っておくとしましょう。


――カシャ、カシャッ


 これもまたなかなかいい写真が撮れました。周囲の暗さと輝くクリスマスツリーのコントラストが、単純ながらも良い味を出しています。

 私は一人、満足するとスマートフォンを上着の内ポケットにしまいました。そろそろ新幹線が到着する時間です。早めに向かっておいた方がいいでしょう。

 もう足に限界が来ていた私は、階段で降りるのは諦め、エスカレーターに乗りました。その動きに合わせゆっくりと景色が前から後ろへと流れていきます。

 その時、ふと目に入ったのは、幸せそうに肩を寄せ合う一組のカップルでした。こんな生活をしているせいか全くと言っていいほど出会いがない私には、それが今日見たどの光景よりも輝いて見えました。


「……あ」


 しばらく見惚れているうちにエスカレーターはクリスマスツリーがすぐ目の前に見える位置まで移動していました。

 その輝きを全身に受けながら私は思いました。


 あんな風に自分も輝ける日が来るのかなぁ、いつか来たらいいなぁ、なんてことを。

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