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002 年齢制限を選べ またはトレインスポッティング

サブタイトル元ネタ:

「未来を選べ」

映画トレインスポッティングの日本版ポスターに書かれていたコピーです。

 4月早々に体調崩してしまい、やっと復活。原因が風邪じゃないのがいやんなっちゃう……。

 そんで復活していきなりですが、本作、R15という年齢制限をつけました。なぜなら、トレインスポッティングの話しを存分に書きたくてだな。


 先日、映画『T2 トレインスポッティング』が日本でも公開された。この作品、1996年に公開された『トレインスポッティング』の続編である。

 前作はイギリス・スコットランドの片田舎で暮らす若者たちが、ドラッグから、そしてクソみたいな人生から抜け出したいと足掻いたり、足を引っ張り合ったりする作品であった。疾走・光悦・幻覚・(スコットランドで一番汚い)トイレ・その他諸々「なんかとにかくめっちゃスタイリッシュ」なダニー・ボイルによる映像表現、Underworldの『Born Slippy.NUXX』をBGMにしたユアン・マクレガー(若い)演じるマーク・レントンによるラストの独白、「Choose Life」というキャッチーなコピー、とにかく90年代のUKカルチャーがみちみち詰まったイケてる映画で、ヴィレヴァンでは映画のポスターがめっちゃ売れて(多分)、モテたい男子はこの映画見てこのポスター部屋に貼っときゃ、とりあえずサブカル系女子とはヤレんじゃない? と思ったものだ。


 んで、あれから現実でも21年。時は2017年。

 メインキャストそのままで、彼らが選んだ20年後の未来をまじで20年後に描くという、「マジかよダニー・ボイルサイコーだな」な映画が『T2 トレインスポッティング』なわけです。いやあ、この興奮。

 まぁ21年前は私も中学生だったので、さすがにリアルタイムでは見てないのだけど。R-15映画だし。しかしうちらが20歳前後の頃も依然として「サブカルぶりたいなら見ておけ」というマスト映画であり、この界隈(どこだ)にどれだけ影響を与えているかといえば、私がツイッターで「明日に備え、やたらBorn Slippy聞いてる」と呟けば、1分で中学校の同級生Nくんから「T2!T2!」と返信が来るくらいには毒されている。

(なお、ダニー・ボイルもUnderworldもワカンネって人は、YouTubeのオリンピック公式チャンネルでロンドン五輪開会式を見よう。あれの芸術監督がダニー・ボイルで音楽監督がUnderworldです)


 そんな我が青春の続編、T2ですが。率直な感想としては、良くも悪くも正しい20年後だった。


 若干ネタバレになるので以下注意ですが、(たとえ創作でも)人の本質ってそうそう変わんねーな、と身につまされた。だけど登場人物たちは20年分、未来が減った分だけ焦燥に駆られ、取り返せないもの選べなかったものへの諦念に苛まれる。

 前作が若者の弱さを描いていたなら、今作は中年のそれを描いており、人の本質は変わらないのに、時を経た分だけ弱さの質が根本的に変わってしまったのを見せられるのは、結構「うぅ……」とクるものがあった。

 多分この感覚は、仮に20歳くらいのときに1と2を同時に見てもいまいちピンとこないものだと思う。かといって30歳くらいになって、1と2を同時に見てたとしたら、1にはノスタルジーしか、つまりは「あぁ、こういう時代だったよね90年代」という他人事にしか感じられなかったと思うし。(少なくとも私はね)

 20年分、映画と一緒に歳を取った人へのご褒美のような、嫌がらせのような。辛い……。


 しかもラストが、前作と比べると、あまりに、あまりに、あまりに!!

 決してラストが良くないという意味ではないですよ。むしろ最適なラストだと思う。前作に引き続き、根がイイやつのあの人はちょっとだけ報われるし。

 だからこそ、テンション最高潮で終わった前作と比べると、この虚無感……。なんていうかもう、ぼーーっと画面見るしかないよね、ほんとに。


 ぶっちゃけストーリー自体は、前作もそうだけど「話しに飽きない」という程度で、超盛り上がるとこそんなにないと思う。でも、面白かった! 前作との演出の対比や、結構細かいキャラクターも前作に出てた人がそのまま演じてるので、気付くと嬉しくなるし。「さらっと出てきたこの女性弁護士、主人公レントンの昔のセフレじゃん」みたいな。そうです、R15をつけてまで書きたかったのは、このあたりの話しです。年齢制限なく「一瞬出てきた女性弁護士、前作でレントンが一目惚れした女の子の成長した姿でしたね」と穏やかに書くよりも、「前作でレントンが一目惚れして、うまいこと一発ヤったけど実は女子高生でめっちゃ焦ったあの子、弁護士になったんだなあ」と書いたほうが、下品だけどトレインスポッティングの本質が伝わるでしょうに。(まあR15つけるほどでもないのかもしれないけど、一応ね。映画も前作本作ともにR-15映画だし)

 

 そんなわけで、年月を経た分のダメージを自分も食らう映画でしたが、概ね満足な続編でした。

 ”当初続編を作る予定はなかったけど評判良かったから続編作った”作品にありがちなとってつけた感もなく、すごく自然な流れで1と2をセットで観られるので、この機会に両方見るのもおすすめです!


 あとユアン・マクレガーはやっぱおじさんになってもかっこいいな……。私にとってのユアン・マクレガーは、スター・ウォーズのオビ=ワン・ケノービではなく、やっぱりマーク・レントンなんだな……とどうでもいい再認識をした次第です。ベルベット・ゴールドマインも捨てがたいが。

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