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015 父が死んだ または皆様への感謝

 多くの人にとってはどうでもいいだろうが、最近すっかりエッセイを始め執筆から遠のいていた。なぜなら、父が死んだからだ。いやまじで。もぉんのすごく、もぉおおおおんのすごく大変だった。というわけで、4回に渡り父の死にまつわるあれこれを書いていこうと思う。


 父は今はほぼ引退していたものの、弁護士で、ここ半年は体調が悪かったとはいえ急逝で、父一人で個人事務所を構えてた。(祖父も弁護士だったので祖父存命中は2人だったけど)しかし誰も跡を継がなかったので、私も母も「弁護士の葬式ってどうやんの? なんか特殊なことすんの?」状態であり、わかんないから「もう家族葬でいっかぁ」という気分であった。

 しかし、過去に結構規模のでかい裁判をいくつかやっていたことので(教科書には載ってないと思うが判決出たときはニュース速報流れた)、訃報を聞いて一番に駆けつけてくださった弁護士先生曰く「先生の場合、家族葬だとあとで『お線香あげさせてくれ』って人、いっぱい来ると思いますよ……それはそれで大変かと……」とのことだったので、「じゃーめんどくさいけどいっちょ派手にやるか」と、斎場2間ぶち抜いて葬儀を行うこととなった。


「これでスッカスカだったら拍子抜けだよねー、まぁ参列客であふれるよりはマシだけど」

 そんなふうに余裕こいていたときもありました。とんでもなかった。2間ぶち抜いても参列客であふれた。


 決してうちの父はコミュ力のある方ではない。ごくごく一部では著名だったかもしれないが、それももう過去の話しだし、個人でこぢんまり好き放題やってるタイプの弁護士であった。それでも原告団何十人レベルの裁判を一件につき十年近く、さらに複数やってると、こんなことになるのか……と、私は通夜の間白目を剥いていた。うちでこれだから、メディアによく出てる弁護士先生とか、有名な先生とか、一体どうなるんだ。想像しただけで恐ろしい。


 でも本当に参列してくださった皆様には、感謝の気持ちでいっぱいです。父の生前は私も含めてお世話になったのに、あまりの混雑にご焼香だけで帰られた方もたくさんいたそうで、申し訳のうございます。個人的に嬉しかったのが、元原告団である大工さんが仕事終わりに作業着のまま、通夜が終わる直前に駆けつけてくださったことです。もちろん皆さん父のために予定を調整して駆けつけてくださってて、そのありがたさに差はないんだけど、汚れた作業着で駆けつけてくれるってなんかいいよね。(翌日喪服で告別式にも参列してくださいました)まぁ斎場の人に迷い込んだ業者と間違えられてめっちゃ止められたらしいけど。お通夜の後には、たくさんの人から「あぁ、本当に父を慕ってくれてたんだなぁ」と思うエピソードをたくさん聞けて嬉しゅうございました。あと私が選んだ遺影と、私が再現した「父の仕事机再現エリア」が大変好評だったので嬉しい。


 また訃報を受け一番にかけつけてくださった先生は、私と母が葬儀屋さんとの段取りでアタフタしてる間に「弁護士会にはここに連絡するとスムーズですよ」と、連絡先やある程度までの段取りを調べてくださり、ほんと「神か……!」と思いました。神仏にまつわる文字がお名前に入ってる人は、人格まで神がかっているのか……! と。


 さらに亡くなった当日は午前中から父と親しくしてくださった方々がたくさん来てくださり、「は! こんな時間! 皆さんにお昼を準備しなくては!」と慌ててお寿司でも注文しようとしたまさにそのタイミングで、近所のおっちゃんが「ご飯準備してる暇ないでしょう!」とお稲荷さんと干瓢巻を持って現れたときは、もう、私もこういう気配りができる人間になりたい……! と心から思いましたよ……。なので、このおっちゃんが通夜のときに「あれがユリちゃんの彼氏だよ! ユリちゃんと一緒におうち入るとこ俺見たもん!」と近所のじいさま衆に暴露してたらしいことは不問に付す。余計なことを……。


 弔電をくださった皆さんも、全部しっかり読ませて頂きました。元新聞記者の方の弔電は(電報にしては長めと思うけど)「この短い文章の中にこの情報と熱量、さすがだ……」と感服致しました。思わずスマホで撮ってしまった。

 私の幼なじみたちも受付を快く引き受けてくれたり、ほかの友人らも細やかな気配り、心配りをくれて、「もう私はどこに足を向けて寝たらいいんだ。立って寝るしかないのか」状態で、本っ当ーにたくさんの人の優しさに支えたれた日々でありました。


 めちゃくちゃ大変だったけど、みなさんのおかげでなんとか乗り越えたよー!


 というわけで、9割感謝の気持ちでいっぱいなのだが、大変だったのにはそれなりに大変だった理由もあるわけで……。次回、その理由というか、愚痴を書き連ねます。

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