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【猫の日記念】Jinbyou-Nyantaro:2092 田村ニャン太郎首相

作者: 恋住花乃

ネコをかぶることなく猫を被るそんな総理大臣のお話です。

「不思議なものだな。私がこの国の内閣総理大臣の座に着くことが出来るようになるなんてな。」彼は内閣総理大臣の座についている男、田村秀顕である。彼は、史上稀に見る大犯罪を犯して逮捕された。殺人は起こしていないが、石川五右衛門に匹敵する程の盗みの名人であった。

何故、盗みを働いていたのか。彼は貧乏なんかではなく、むしろ富豪の方であり、スリルを味わうために盗みを働いていたのであった。

警察も中々尻尾を掴みかねていた。徹底した作戦で警察にもバレずにあるところまで来たが、弘法にも筆の誤りで敢無く御用となってしまった。そして、刑務所で服役中に食堂などでの受刑者の声を聞いて、政治家を目指すことにした。

彼に転機が訪れたのは、そんな時であった。とある科学者に声をかけられた。

「田村さんですね。私の実験に協力して頂けませんか?協力して頂ければ、釈放は必ずお約束致しましょう。」囚人服を来た変な男に連れられて、とある部屋に入った。

「注射、頓服、点眼の三つよりお選び下さい。」科学者は実物を見せながらそう言った。

「では、注射でお願いします。頓服は苦いし、点眼は信用出来ませんから。」

「分かりました。あなたの第二の人生がここから始まりますよ。」


運命を変える一針が彼に刺さった。中身の液体が体を侵食してゆく。

「博士!これは一体なんですか。この溢れる力は、素晴らしいものを感じます。」田村はこの時、痛みの中に何か偉大なるパワーを秘めたエクスタシーを感じていたのであった。

「これは世界初人猫化計画の実験です。貴方は普段は人間ですが、緊張すると猫の顔になります。しかし、緊張状態だけではなく意図的に意識しても猫になることができます。猫の本能で人間の数倍の威力を持ったパンチも出来ます。とにかくその力でこの国を変えて下さい!」


「よし。俺には最早名誉なんてものは無い。だから、田村ニャン太郎として立候補しようじゃないか。」

そして、ニャン太郎となった彼は政治家となる為に、その時が来るまで、プロレス用のマスクに似た人猫になれないとき用のマスクを準備したり、近所の不良から地域の人を守ったりして立候補できる時を待った。そして、その物珍しさから晴れて衆議院議員になることが出来た。


そして、紆余曲折を経て遂に内閣総理大臣の座に就いた。



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