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アフタヌーンティーで報告会。前編。

 アフタヌーンティー描写が多くて検索しているうちに、危うく予約しそうになります。

 今は秋の味覚満載なんですよね。

 栗もサツマイモも大好きなので、限定物スイーツにも惹かれます。

 体重……減らないかなぁ。

 


 結局勘違いした奴隷たちはマンイーターの巣へと送り込まれた。

 マンイーターは苦労せずとも餌が手に入って、とても喜んでいたようだ。

 奴隷たちを運んだのは、トリア、カロリーナにトレントたち。

 リリーとサイも一緒に行った。

 サイはマンイーターの捕食が新しい解体技術に繋がるかもしれないのよ! と凄く乗り気だった。

 これ以上磨く技術があるのかと驚くほど、サイの解体技術は規格外なのだけれど、本人の言い分では、まだまだなのよ……とのことだ。

 陰惨な場面でも得られる何かがあるのなら、断罪に付加価値がついたのかもしれない。


 マンイーターの巣で行われた一部始終のやり取りを、皆に報告する場を設けるべきだと言ったのは、意外にもカロリーナだった。

 

『さすがに子供たちには残酷すぎますわ~。しかし大人には必要だと思いますのよ~』


 と言われたのだ。

 残酷描写につき、報告不可で! と決めつけていたのを反省し、皆の意見も聞けば、やはり、御主人様のお許しがあれば是非聞きたいです! と声を揃えての返答があった。


 子供たちには残酷が過ぎるので、避けたいのだけれど……と伝えると、そちらは了承された。

 必要であれば親から子へ伝えるらしい。

 ドラは微細に渡って聞きたがりそうですけどね……とダナが苦笑していたので、どうやら報告会に同席させたとしても、そこまでのトラウマを受けたりはしないようだ。

 獣人の精神が強いのか、過酷な環境が感情を麻痺させているのか、そもそもドラは将来が心配では? と思いつつ、報告会の準備を整えた。

 せめてアフタヌーンティーとして、美味しいお菓子と飲み物を堪能しながら話せば、嫌悪感が軽減されるかも? と考えたからだ。


『子供たちにも同じものを用意してあげようよ。きっと、喜ぶからさ!』


 トリアが笑って言うのに頷いておく。

 言われずとも用意するつもりだった。

 食欲旺盛な子供たちへ、美味しい物を与える機会は多いに越したことがない。


 そういえば、ケーキスタンドを使ったアフタヌーンティーは初めてだった。

 そしてこちらのケーキスタンドはオール陶器製で驚いた。

 向こうでのフルーツスタンド、足のある皿を重ねる仕様だったのだ。

 これはこれで乙だと思いつつ、スライムたちが例によって例のごとく作り置いている料理やスイーツを丁寧に配置していく。

 参加メンバーは、エステファニア、テオ、チコ、ダナ。

 そしてトリアと私にスライムたち。

 二人に一つのケーキスタンドなので、テーブルの上には四つのスタンドが並ぶ。

 あ!

 スライムたちは全員で一つのスタンドにしてます。

 それぞれが三段皿なので、壮観な光景だ。

 

 カロリーナはペネロペ一人で子供たちの面倒を見るのは大変だろうと、場を設ける意見を出しながらも参加は見合わせた。

 トレントたちも一緒だけれど、そこはかとない不安があったので、快諾する。

 良い子なんだけど、どうにも小さい子たちと同じ目線になっちゃうから、その辺りが心配なんだよね。

 たぶん怒るべきときに、怒れない気がする。

 その点、カロリーナは安心だ。

 子供への加減は完璧に心得ているし、基本の接し方では彼女が一番穏やかなのだから。


「あいかわらず……すばらしゅうございますわ……」


 三段のケーキスタンドの上、載せられた料理とデザートの数々にエステファニアが蕩けるような眼差しを向けながら、溜め息を吐いている。


「うん。本当! 夢のように綺麗だよね……」


 ダナも少女のような可愛らしい眼差しを輝かせている。

 肝っ玉母ちゃんの印象が強い彼女だが、綺麗なものや可愛いものは大好きらしい。


「どれも良い匂いがすんよなー。繊細な香りってーのか? とにかく美味いに違いない」


 チコは鼻をひくつかせっぱなしだ。

 焼きたてマドレーヌの香りだろうか。

 おなかが空いているときは暴力的だが、小腹が空いている程度であれば、ただただ食欲をそそられる香りになるのだ。


「先日のワゴンデセールを思い出しますね。塩味と甘味の永久運動を楽しめる日が来るなどとは……今でも時々頬を抓ってしまいますね」


 言いながらテオは頬を抓っている。

 夢じゃないんだよな……と顔をほころばせた。


「飲み物は問答無用のミルクティーなのねー。ちょっと美味しいモー乳ができたのねー。お好みで砂糖やニードルビーハニーを入れてもいいのねー。自分で調節するといいのねー」


 ティーポットの中身は問答無用のミルクティーらしい。

 テーブルスタンド一つに対して一個のティーポットが用意されているので、エステファニアがテオの分を、ダナがチコの分を淹れている。

 私はトリアの分を淹れた。

 スライムたちは、サクラが全員分を淹れたようだ。

 皆楽しそうに砂糖やニードルビーハニーを入れている。

 私は、そのままでいただいた。

 ミルクがぐっと濃厚になっている気がする。

 砂糖なしでも十分美味しいが、塩物を食べるなら淹れてもいいだろう。

 迷って少量の茶砂糖を入れる。

 まだ温かいので砂糖はよくとけた。

 一口飲んで、甘いのもまたよし! と大きく頷く。


「なんだ、このパン、美味すぎるじゃないか!」


「それはモーモーのリブロースサンドですわ。肉好きには堪らない逸品でございましょう?」


 自慢げなローズの解説に、チコは何度も頷きながら既に満たされ切った感じで、リブロースサンドを食べ尽くしてしまう。

 ミルクティーを堪能していて出遅れてしまったダナが涙目で、チコの頭へ拳骨を落とした。


「うんうん。肉分は大切なのですわ。これはダナ専用ですから、安心して召し上がってくださいませ」


 美味しい肉の布教には積極的なローズがダナの取り皿へ、リブロースサンドを置いている。

 涙目だったダナの表情が、ぱっと笑顔に切り替わった。


「ありがとうございます、ローズさん!」


「うんうん。苦しゅうないぞ。存分に食すがよい。チコも一通り全部を食べたらお代わりもありじゃからな」


「は、はい! ありがとうございます! へへへ。最高ですよね、肉」


 拳骨の痛みで涙目だったチコの顔も笑顔になった。

 

「フルーツとチーズの組み合わせが、ここまですばらしいとは思いませんでしたわ!」


「甘味と塩味が共に楽しめるとは……何とも贅沢な料理ですね」


 こちらのコンビは喧嘩など天地がひっくり返ってもしないだろう。

 レッドアップルとカッテージチーズのフルーツサンドに舌鼓を打っている。

 フルーツサンドは迷ったが、今回の下段はサンドイッチで統一するつもりだったので、あえて入れておいた。

 好評で何よりだ。


「あ、マヨネーズが入ってる! 更に美味しくなってるね」


 トリアの感動に同意をしつつ、ターレス、ウリキュー、トメトの野菜サンドを咀嚼する。

 以前食べたときに、鑑定でマヨネーズを入れるとランクアップと表記されていたので、早速挑戦したのだろう。

 私はマヨラーではないが、この組合わせの野菜サンドにマヨネーズはよく合うと思う。

スライスチーズを入れてホットサンドにしても美味しそうだし、ホットサンドにするならパンの種類を変えてもいいだろう。

 

「……美味しく食べてるところ悪いけど、報告始めてもいい?」


 トリアの発言に、食事の手を止めた皆は背筋を伸ばしてトリアに向き直る。


「そんなに、畏まらなくてもいいよぅ。食べながら聞いて? その程度の話題ってことだし。あ、もしかして食べてたら気持ち悪くなっちゃう、とか?」


「……あの人の末路が事細かに聞けるのならば、気持ち悪くなるどころか、食欲も増進いたしましょう」


 エステファニアが華やかな微笑を浮かべる。

 きっとこれが貴族的な微笑の見本ともいうべきものだ。

 

「エステファニアも言うようになったなぁ……俺ら夫婦も大丈夫です。テオだって平気だろ?」


「ええ。手前だけでなくアルマも随分虐げられたからねぇ……アルマは特に虎息子に目をつけられていたから」


 もしかしたら伴侶というか、妾的な、体だけを求められるような相手として認識されていたのかもしれない。

 本来の姿を取り戻したアルマは何とも愛らしいので、見る目だけはあったのかもしれないが、あんな将来性のない屑に魅入られても地獄でしかなかっただろう。

 

「じゃあ、遠慮なくいくねー。アイリーンは大丈夫?」


「大丈夫よ、スコーンをいただきながら聞くわね」


「どっちのスコーンも新作なのです。是非とも感想を聞かせてほしいのです!」


気合いの入ったサクラの主張に、皆がスコーンへと手を伸ばす。

 私も手前にあった、色が可愛らしいレッドベリースコーンから囓る。

 レッドベリーの香りがまず、ふわっと香る。

 レッドベリーそのままの甘酸っぱい味がいい。

 これならクロテッドクリームより、生クリームがあうかも? と思えば、既にどちらも用意されていた。

 もう一つのスコーンにあうのか、ニードルビーハニーも置かれている。


「ん! もう一個のスコーンは、キャラメルウォールナッツのスコーンなのっ。そのまま食べてもいいけど、ニードルビーハニーをとろりとかけると美味しさ倍増なのっ!」


 キャラメル。

 既にキャラメル、そしてキャラメル味が作られていたようだ。

 ちなみに私はちょっと苦めなキャラメルも好きだけれど、ベタに甘いキャラメルも大好きだ。


「あーこれ至高だ。至高のキャラメルウォールナッツスコーンだ」


 ほけーっと感想を言ってしまうくらいに好みのスコーンだった。

 何と、ちょっと焦がしたキャラメルとベタ甘いキャラメル部分の両方が楽しめる仕様になっていたのだ。

 そこにきちんと煎ってから使ったのだろうウォールナッツがふんだんに入っていた。

 食感、香り、キャラメルとウォールナッツの配分全てが好みで、涙まで浮かびそうになって困る。


「むぅ! そこまでスコーンに気を取られるなんて! え、美味しすぎるでしょ!」


 食べるのを勧めておきながら、いざ夢中になられると拗ねてしまった、トリアの口の中へと。

 すかさずリリーがキャラメルウォールナッツスコーンに、ニードルビーハニーをかけたものを突っ込んだのだ。


「これは駄目だ。むしろこっちに集中しないと駄目だ!」


 トリアがもう一つのスコーンにも手を伸ばし始めてしまったので、結局肝心の報告はスコーンを食べ終わってからになってしまうようだ。



 ロイヤルミルクティー 

 ランクSS

 砂糖などをバランス良く入れれば最高ランクへ。

 モー乳の品種改良に成功。

 モー乳の品質が大幅に向上した。

 勿論、コールドモー乳やホットモー乳もおすすめ。

 骨強化効果大。

 肌荒れ改善効果大。



 ターレス、ウリキュー、トメトの野菜サンド

 ランクSS

 マヨネーズを野菜の間に少量入れたので、ランクアップに成功。

 野菜のしゃきっとした食感が楽しめるサンドイッチ。

 からしバターの美味しさを特に堪能できるサンドイッチでもある。

 便秘改善効果有。

 免疫力向上効果大。



 レッドベリースコーン

 ランクSS

 フレッシュなレッドベリーをたっぷり使っているのでフルーティーな香りが、食欲をそそる。

 生クリームを添えれば最高ランクに。

 子供は味で、女性は香りで魅了される。

 虫歯予防効果大。

 肌再生効果大。



 キャラメルウォールナッツスコーン

 ランクSSS

 キャラメルがこちらにはないため最高ランク。

 ナッツの触感が秀逸。

 キャラメルは外側がかりっと、中側はとろっとしている。

 両方楽しめるポイントも高い。

 滋養強壮効果大。

 不眠症改善効果大。

 美髪効果大。





 喜多愛笑 キタアイ


 状態 心身ともに良好  


 料理人 LV 4 


 職業スキル 召喚師範 


 スキル サバイバル料理 LV 5 

     完全調合 LV10

     裁縫師範 LV10

     細工師範 LV10

     危険察知 LV 6

     生活魔法 LV 5

     洗濯魔法 LV10

     風呂魔法 LV10

     料理魔法 LV13 上限突破中 愛専用

     掃除魔法 LV10

     偽装魔法 LV10

     隠蔽魔法 LV10

     転移魔法 LV ∞ 愛専用

     命止魔法 LV 3 愛専用

     治癒魔法 LV10

     人外による精神汚染


 ユニークスキル 庇護されし者


 庇護スキル 言語超特化 極情報収集 鑑定超特化 絶対完全防御 地形把握超特化  解体超特化


 称号 シルコットンマスター(サイ)  


  

 健康診断を控えているので、気合いの入った食事制限と運動をしているはずなのに、一向に体重が減らない。

 汗をかく=体重が減る! じゃないところが寂しいです。

 ふぅ……。


 次回は、アフタヌーンティーで報告会 中編(仮)の予定です。


 お読みいただきありがとうございました。

 引き続き宜しくお願いいたします。

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