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盗賊退治完了の宴、の準備。中編

 二次作品リメイク作業が地味に進み始めました。

 しかし、二次なので説明しなくてもわかる部分の説明をどこまでしなければいけないのか、迷っています。

 説明という名の新しい設定が、どんどこ増えて困りものです。

  


 メニューは決まったので、調理の分担をお願いする。

 一人でもできるけど、分担すれば早いし、何より皆が喜ぶからね。


 アミューズとサラダはサクラ担当。

 野菜好きなだけあって野菜の扱いは随一なんだよね。

 サラダは一度作っているから、短い時間で同じものを再現できるらしい。

 作りたいアミューズの説明をすれば、魚卵はどんな色がいいかと具体的な質問をされた。

 鮮やかさであれば、イクラやトビッコのような赤というか朱色がいいかもしれない。

 キャビアのブルーを強くしたような魚卵でも綺麗だろう。

 逆にサクラのお勧めはあるかと尋ねれば、なんと金色の魚卵を勧められた。

 ゴールデンマックスの卵かと思ったら違うようだ。

 シーニンというニシンの親戚な海魚の卵とのこと。

 こちらは深海魚で取れにくいそうだが、駆逐しかけた魔物が命乞いにと貢いでくれたと聞けば驚くしかない。

 定期的に貢ぐよう指示まで出したと言われれば、開いた口が塞がらないが、嬉しいので次回のお届けにも期待しようと思う。


 ほっくり焼きのイモジャガ ディルとシーニンの黄金魚卵を添えて

 イモジャガのムース 刻みジンニンとホワイト&グリーンスパラー


 スープはカロリーナ担当。

 ペネロペと一緒にキノコの選別から挑むらしい。

 タケシクン、リンギエ、ジシメ以外にも使いたいキノコが多すぎるので、なんと隠しキノコとして厳選したキノコを投入するそうだ。

 キノコには見えないキノコだから、楽しみにしているといいのですよ! とペネロペが豪語する背後で、カロリーナが既に疲れ切っているのが印象深かった。

 挫けずに頑張ってほしい。

 それだけペネロペはキノコが大好きで、皆に美味しい物を食べさせたい願望が強いのだから。

 

 ベーコンと三種キノコのクリームスープ 隠しキノコ入り


 チーズ、パン、ソルベはモルフォ担当。

 チーズとパンは選ぶだけだし、ソルベは私がいい塩梅に瞬間冷凍するつもりなので、準備が整ったら、私のサポートに入ってくれるようだ。

 有り難い。


 四種類のチーズ

 黒ライぎむパンとふわふわ丸形パン

 イエローベリーのソルベ ミントの葉載せ


 ポワソンはサイ担当。

 添える野菜は、う! あとでのお楽しみなのよーということで教えてもらえなかった。

 彩りは勿論、スズキサンとの相性も重視するようだ。


 スズキサンのムニエル 野菜を添えて


 アントレは当然ローズ担当。

 野菜は他のメニューでたっぷり取れるので、肉のみの皿といたしますわ! と肉好きローズらしい言葉があった。

 肉その物の味をいかに引き出すかに気合いを入れるローズだが、マデラソースは慎重に作り込むらしい。

マデラソース製作に必須のフォンドボーも完璧だから安心するとよろしいのですわ! と胸を張られた。

 フォンドボーに関しては時間を作って自分の味を作る心積もりだったんだけど、肉料理の基本にもなるので、ねだってきたローズに基本の作り方を教えておいたら、何時の間にか仕上げていたようだ。

 スライムあるあるですね、ありがとうございます!

 年代物のブラウンワインとローズ特製フォンドボーの組み合わせは、きっと秀逸なマデラソースを生み出してくれるだろう。


 ラムチョップのポワレ マデラソースを回しかけて


 アントルメはリリー監修の元でトリアが担当。

 ただし、トリアの限界値は大変低いので、新鮮フルーツ各種とゼリー&ムース各種のみをお願いするつもりだ。

 スコーンもいけるかなぁと思ったのだが、リリーがシニカルな微笑を浮かべて否定しているのでやめておいた。

 味見多めでテンションを落とさない方向でお願いね……と囁けば、任せておくのねーと頼りがいのある歴戦猛者の返事があったので、一撫でしてお互い頷き合う。


 フルーツ五種盛り

 ゼリー三種。

 ムース三種。


 私はオードブルとアントルメの粉物? 担当だ。

 

 まずは、オードブルから作っていく。

 時間促進ができなかったら、焼き時間を考えてケーキ系から手をつけるんだけどね。


 まずは使う野菜を全て塩茹でする。

 今回使用する野菜はキャノベツ、グリーンビーン、ニッキーズ、ミニトメト、ベビーモロコシ、ラオク。

 キャノベツ、ニッキーズとベビーモロコシはお湯から上げたら、そのまま放置して冷ます。

 グリーンビーンとラオクはお湯から上げたら、冷水に入れる。

ミニトメトはお湯から上げたら、冷水に入れて、更に皮を剥く。

 小さいから剥きにくいなぁと思っていたら、自分担当のノルマをこなしたモルフォが颯爽と現れて代わってくれた。

 素敵!


 感謝をした私は瞬間冷凍したイエローベリーのソルベを、ひとまず冷凍庫へしまう。

 勿論モルフォと二人で味見は忘れない。

 酸味が和らぎ甘みが勝つソルベは口の中がさっぱりする、箸休めには最適な一品に仕上がっていた。

 もっと食べたい誘惑を、これまたモルフォと一緒に跳ね返して続ける。


 モルフォにはゆで野菜を切ってもらい、キャノベツを敷いた容器の中に並べてもらった。

 そのすきに私はゼリー部分を火にかける。

 コンソメと水を入れて、煮立ったら火を止めてゼラチンをふやかす。

 モルフォがセットしてくれた容器の中へ流し入れれば完成だ。

 時間促進は他の料理が仕上がっても、まだできていなければ使おう。

 

「スコーンなんだけどね?」


「ん? 何を悩んでいるの?」


「ボカッチャとモイサツマを完全にペースト状にして練り込むか、一部食感を残すためにゆでたあとで角切りに刻んで入れるか。どっちがいいかなぁ」


「ん! 食感を残す方向でお願いするの」


「了解。そっちの方が何となく見た目も綺麗だよね」


「ん。皮は少し残すのね?」


「ボカッチャの緑もモイサツマの紫も綺麗だからね。ただよく洗わないと……」


「ん。洗うのから茹でるのまで引き受けるの」


「よろしくー」


 野菜の下ごしらえはまかせて、生地の準備をしておく。

 小ぎむ粉、山で取れるベーキングパウダー、バター、モー乳、クックルーの卵を入れて、へらでさっくりさっくり混ぜる。

 野菜が仕上がったら、混ぜて、成形して、焼きに入れてもらえるよう指示を出して、バターケーキ製作へ。


 バターはスライムたちがせっせと作ってくれるモー乳のバター。

 濃厚でとても美味しい。

 カロリーは気にしてはいけない。

 バターケーキには無塩バターを使うのが鉄板だが、今更に気がついてしまった。

 そもそも今までずっと無塩バターを食べていたのだと!


「ん? 違うの。ちゃんと有塩バターを食べていたの」


「そ、そうなの?」


 気合いの入った心の声に、モルフォが優しい返事をくれる。

 道理で違和感が仕事をしないはずだ。


「ん、愛からちゃんと知識はもらっていたの。リリーとローズが拘った塩配分だから美味しい有塩バターなの。今回はケーキ作りということで、ちゃんと無塩バターを用意しているの」


 ですよねー。

 今更抜かりがあるとかないですよねー。


「ありがとう。何から何まで助かります」


 無塩バターに向かって拝んでから、ボウルの中に材料を投入していく。

 スコーンの材料と同じで分量が違うだけなので簡単だ。

 向こうでは時短のために無塩バターをレンジで液状に溶かして使っていたが、今は適当に柔らかくしたものを使っている。

 砂糖を混ぜながら丁寧に混ぜているとふわふわになるから不思議だ。

 卵を入れ、粉を入れ、さっくりと混ぜ合わせる。

 混ぜるのに疲れる気配を見せると、モルフォがさくっと高速触手混ぜで、ハンドミキサーも真っ青のスピードで仕上げてくれた。


 スコーンの生地もできあがったようなので、オーブンに美味しく焼き上がるように囁いて入れる。

 自動で焼き上げてくれる便利オーブンのお蔭で、さくさくと焼き上がったものは、モルフォが一旦スライム収納へ入れてくれた。

 バターケーキも同じように焼いてもらう傍らで、私はロールケーキに取りかかった。


 以前はロールケーキの具材はフルーツと生クリーム。

 苺かバナナが至高! という主張だったのが、生クリームがたまらなく美味しいロールケーキに出会ってから、生クリームのみのロールケーキに嵌まった。

 数多くの生クリームオンリーのロールケーキに挑んだが、好みの物は少なかっからこそ、自作にも挑戦したのだ。

 お蔭で大量に食べても飽きが来ない生クリームの作り方には、それなりの自信があった。

 砂糖は一切使わずに、乳脂肪分が高い生クリームを使うのが特徴だ。

 乳脂肪分については、スライムたちが検証した結果、50%が最強とのことだったので、既に泡立ててあるものを味見する。

 最高の味だった。

 

 生クリームを作るまでもなくワンダホー! な物に出会えてしまえたので、生地作りに取りかかった。

 ロールケーキの生地作りは簡単だ。

 一番難しいのはクリームをたっぷり塗って、巻くときだろうか?

 途中で罅が入ってしまうと本当に悲しい。

 

 材料はクックルーの卵、小ぎむ粉、白砂糖、生クリーム、ケーキ用のお酒。

 そう生地にも生クリームを入れるのだ。

 これがしっとりのポイントらしい。

 

「ケーキ用のお酒って、こっちでは何があるの?」

 

「ん。ケーキはほとんど存在しない世界なの。愛が言うところのケーキ用のお酒は、ドワーフたちが独占しているから、市場には出回っていないの」


「そっか……残念!」


「ん! 悲しまなくてもいいの! やっぱり駆逐しかけた魔物から強奪……貢がせた物があるのっ」


「喜んで……いいんだよね?」


「ん! 勿論喜んでほしいの!」


 まさかドワーフは、私が好む素材を独占していたせいで魔物扱いされてしまったのだろうか?

 駆逐されなかったのでよしとすべきなのだろう、うん。

 モルフォ曰く、ケーキ用のお酒に向く物は、ホワイトラム、ダークラム、ブランデー、キルシュ、オレンジキュラソー、ホワイトキュラソーの六種類らしい。

 お菓子作りが大好きな異世界転移者が持ち込みをしたか、転生者が気合いを入れて作ったかと思わざる得ないラインナップだった。

 縁を繋げる必要もその気もさらさらないけれど、感謝だけはしておく。

 今回はダークラムを採用した。

 

 卵と砂糖を白っぽくなるまで混ぜ、小ぎむ粉を投入。

 今度はさっくりと混ぜて、ダークラムと生クリームを投入。

 むらなく混ぜたら、クッキングシートいらずの天板に注いで丁寧にならす。

 あとはオーブンにお任せだ。


 モルフォの手助けもあって、十分手早くできたと思う。


 さて誰かを手伝おうかと思えば、リリーとトリア組が未だ戦っていた。

 トリアは自分の分担を終えたスライムたちに、手取り足取り教わっている。

 これ以上手は必要ないかな? と思ったけれど、トリアに訴えかける目で呼ばれて歩み寄った。

 やはりスパルタなスライムよりも、私と一緒が気楽なのかもしれない。


「愛は褒めて! 僕を褒めてね! 褒められたら伸びる子だからさ!」


 子という年齢ではなかろうて……なんて突っ込みは入れずに、懇願されたとおり存分に褒めておいた。

 実際以前に比べるとかなり手際も良くなっていたので、褒めるのはちっとも苦ではなかった。




 シーニン

 ニシン。

 入手困難深海魚につきレア。

 黄金の卵は縁起物とされていて、高価取り引きされている。

 滅多に手に入らない珍味。


 シーニンの身

 料理の材料になる。


 火を通すべし。

 新鮮であれば生食可能。

 +塩玉で燻製に


 シーニンの黄金卵

 料理の材料になる。

 火を通すべし。

 新鮮であれば生食可能。

 +塩玉で塩漬けに


 シーニンの内臓

 毒薬が作れる。

 薬師のみ作れる。

 強い毒薬になるので取扱注意。

 +綺麗な水、バイバイ草


 シーニンの白子

 料理の材料になる。

 火を通すべし。

 新鮮であれば生食可能。

 +料理酒でマリネに


 シーニンの骨

 レア物遭遇率アップの小物になる。

 ただし作るのがとても難しいので、入手は極めて困難。

 得意とする細工師は数年待ちも普通。

 細工師にのみ作れる。





 喜多愛笑 キタアイ


 状態 心身ともに良好  


 料理人 LV 4 


 職業スキル 召喚師範 


 スキル サバイバル料理 LV 5 

     完全調合 LV10

     裁縫師範 LV10

     細工師範 LV10

     危険察知 LV 6

     生活魔法 LV 5

     洗濯魔法 LV10

     風呂魔法 LV10

     料理魔法 LV13 上限突破中 愛専用

     掃除魔法 LV10

     偽装魔法 LV10

     隠蔽魔法 LV10

     転移魔法 LV ∞ 愛専用

     命止魔法 LV 3 愛専用

     治癒魔法 LV10

     人外による精神汚染


 ユニークスキル 庇護されし者


 庇護スキル 言語超特化 極情報収集 鑑定超特化 絶対完全防御 地形把握超特化  解体超特化


 称号 シルコットンマスター(サイ)  


 

 ついに購入してしまったゾンビゲームが楽しいです。

 ゾンビが殆ど出ない設定で探索を楽しんでいる邪道過ぎるプレイスタイルですが、本人は大満足です。

 購入して良かった!

 ありがとう、春節セール!


 次回は、盗賊たち退治の宴、の準備。後編(仮)の予定です。


 お読みいただきありがとうございました。

 次回も引き続き宜しくお願いいたします。

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