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村を整備しましょう。倉庫作り編。

 タイトルがやっと『村を整備しましょう。~編』に戻りました。

 書いているうちに書きたいエピソードが山とできてしまい、横道にそれているのがよくわかる流れと思われます。

 いつになったらキノコ娘が出せるのか。

 ヤコウタケのぬるっと感と暗闇でほのかに輝く感じをキノコ娘としてだしたいものですが、これまた難しそうです。



 モルフォ移動を堪能しながら倉庫街へたどり着く。

 倉庫『街』と称する場合、基本的に幾つの倉庫があったら、そうと表現するのだろうか。

 最初に浮かんだのは、赤い倉庫が並ぶ日本の観光地。

 次に浮かんだのは、よりノスタルジックな印象を覚えた赤い倉庫が並んだドイツの世界遺産。


 しかし目の前に広がるのは、そこまで大きな倉庫群ではないし、倉庫そのものも大きくはない。

 むしろ村が管理する倉庫としては小さめで、一番大きなものでも日本史で出てきた高床式倉庫の大きめバージョン程度だろう。

 形状も高床式倉庫の足がない版と説明すると近い気がする。

 屋根は藁葺きでなく丸太を組んでいるので、むしろ山小屋の倉庫版と表現した方がより正確かもしれない。


「……大きさはいいとして! だよ? この数は何かしら? 作りすぎじゃないの?」


「備えあれば憂いなしなのです!」


「う! そこまで多くもないと思うのよ? 仕分け前倉庫食べ物用五個、その他用五個、仕分け済み倉庫食べ物用五個、その他用五個、全部で二十個よ?」


「食べ物用倉庫には、それぞれ保冷庫がついているのです。生ものの保管も完璧なのですよ」


「う! 保冷庫は『ユニークなスライムのスキルで冷えているのねー』って、リリーが言っていたのよ?」


 おぉ!

 私が作るまでもなかった。

 スライム収納が便利すぎて、冷蔵&冷凍庫は後回しにしていたんだよね。

 皆の家が完成したら、それぞれの家に設置した方がいいと思うけど。

 は!

 そうすると、今から準備しておいた方が無難かしら?


「愛? どうしたのです?」


「村全体の収納に心配がなくなったら、今度は自分たちの家作りかなぁと思ってね。冷凍庫付き冷蔵庫は一家に一台欲しいから、今から準備しておいた方がいいかなぁって」


 私の言葉にスライムたちが肩? を大げさに竦める。

 

「んっ! それだと愛がまた倒れるから駄目なのっ!」


「うっ! 自分の分を作るだけなら、時間のあるときに作ればいいと思うのよ? でもその他の人たちの分は、必要に駆られたときでいいと思うのよ!」


「……トリアとカロリーナの分で、合計三個までなら、誰かの監視の下で作るといいのです」


 三個までしか駄目らしい。

 監視もないと駄目らしい。

 

「んっ! しょんぼりしても、ここは譲れないのっ!」


「うっ! せっかくブラック企業から解放されたんだから、もっと自由を満喫してほしいのよっ?」


「奴隷根性はなかなか抜けないと言われますけれど、ある程度までは気の持ちようだとも思うのです」


 熱く語られてしまったので、心配をかけないためにも、きちんと告げておくことにした。


「了解しました! 皆と相談して、誰かが一緒にいるときに、三個までを限界として作ります!」


「それでいいのです。では、倉庫内を種類別に案内するのです。まだモデルルーム? 的な感じで、収納されている物は少ないのです」


 サクラとサイの背後にモルフォと一緒に続く。

 何人かのトレントが、作業中にもかかわらず手を振ってくれる。

 

「トレントたちはびっくりするほど器用なのです。木を知り尽くしているので無駄がないのです」


「う! しかも基本的に気が利く働き者さんなのよ?」


「ん? あそこでさぼっているトレントは……突っ込んではいけないの?」


「個体差はあるのです。致し方ないのです」


 できあがった倉庫の壁に背中を預けて、目を閉じている。

 寝ているのかと思ったら、そうではないらしい。

 私たちが近くを通ると飛び上がって、さぼってなどいませんよー、という感じで、窓枠にガラスをはめ込み始めた。


「そういえば、こっちはガラスって普通にあるの?」


 異世界作品ではあったりなかったりする。

 私が読んだ作品から考察すると、錬金術で作られるケースが多かった。


「どちらかというと高級品に分類されるのです。お貴族様たちの邸宅は、どれほどガラスを使ったかで、良し悪しが評価されたりもするのです」


「そうなんだ? じゃあ、周囲から見えると、中身すっけすけの家になるのかしら?」


「う! お風呂もガラス張りなのよ!」


「ん! トイレも上部分がガラス張りの邸宅もあるの!」


 何事もやり過ぎはよくないと思うのは、私が庶民だからだろうか。

 貴族や王族の見栄張り具合は、リアルで見たことないが、見たいとも思わない。

 最初にあった王族が、元王族とはいえ詐欺師だ。

 絶望なんてしないけれど、期待はできない。

 あと、たぶん。

 一般人よりも私は、所謂高貴な方々との相性が異常に悪いと思う。

 今後もかかわらないでおきたいものだ。


「倉庫に使うことはないようなのです。つまりはこちらの倉庫は高級倉庫なのです!」


 サクラが自慢げにドアを開けてくれた。


「あれ? 明るいね」


 窓が一箇所しかないにしては、室内が明るかった。

 反射的に天井を見れば、石が埋め込まれており、光は石から降り注いでいるようだった。


蓄光石ちくこうせきと呼ばれる、光を貯めておく性質がある石なのです。人工石と天然石があるのです」


「う! 人工石は安いけど長く保たないし、あまり明るくならないのよ! 天然石は高いけど、部屋中隅々まで照らしてくれるのよ!」


「愛の部屋の分は良質で天然の蓄光石を用意してあるので、安心するといいのです」


「ありがとう。楽しみにしているね!」


 自然光に近いやわらかな光の下で、スライムたちと縫い物をしながらおしゃべりをするのも楽しそうだ。


「棚の上には軽いものを置いているのです」


 キノコ専用樹木小屋と同じ感じで、作り棚がぐるっと備え付けられている。

 作り棚の上には幾つもの木箱が置かれており、箱の正面に何が入っているか明記されていた。

 箱には取りやすい様に取っ手もついている。

 スライムたちのお手製かと思ったが、トレントたちの手によるものかもしれない。


「う! 足下には重いものや使う頻度が高いものを置いているのよ!」


「ん? 部屋の一番奥にあるのは冷蔵庫なの?」


「そうなのです。冷凍庫は冷蔵庫より希少なので、まだ様子見なのです」


 現時点での顔ぶれなら安心だが、村として成り立たせるためには人が必要だろう。

 秘密保持の契約をしっかりしたいのであれば奴隷が最良だ。

 奴隷制度に関しては嫌悪感を覚える一面もあるが、犯罪者が周囲にもわかりやすく罪を贖える制度だとも思う。

 ラノベ的な知識だと、商品奴隷と懲役奴隷に分かれている作品が多い。

 前者は商品価値を損なわないためにある程度生活の保障がなされ、後者は死んでもかまわないぐらいの扱いがなされる。

 購入するとしたら、商品奴隷だろう。

 今信用できる中には、残念ながらもふもふがいないので、できれば堪能させてくれる奴隷が欲しい。 

 贅沢な悩みだろうか。


「最初にこの村へ訪れる商人が、奴隷の扱いもあるといいのです」


「本人が扱っていなくても、紹介してくれれば御の字かな」


「う! きっと大丈夫なのよ」


「ん! 愛の引き寄せ効果が炸裂するのっ!」


「……そういえば、この辺りって水害は大丈夫なの?」


 炸裂まではしてほしくないなぁ、と胸の中で溜め息を一つ吐く。

 ふと高床式倉庫の利点を思い出して尋ねた。


「大丈夫なのです。世界規模の水害でない限り、トリアが何とかしてくれるのです」


「あぁ、愚問だったわね」


 火には弱いが、水には滅法強い。

 それが、トレントの一般的な認識だった。


「う! 害虫もトレントたちが目を光らせてくれるって言ってるのよ?」


「ん! 私たちも周回するけど、トレントたちは木を囓るものへの反応は随一なの!」


 スライム万能説に続き、トレント万能説も出てきた気がしないでもない。


「じゃあ、他の倉庫も案内するのです!」


「よろしくお願いいたします」


「う! 誠心誠意御案内申し上げるのよ!」


 物が収納されている四種類の倉庫を回り、それぞれ説明を受ける。

 新たな住人が増えたら手を加えることにして、現状はこのまま使っていこうと話し合いながら、お昼は何が食べたいか尋ねた。


「ふわふわパンを堪能したいのです!」


「う! トリアもちょっと料理を手伝ってみたいって、言っていたのよ?」


「あら、そうなの?」


 食べる専門で……と不器用さをアピールしていたトリアだったけれど、料理に目覚めたのだろうか?

 スライムたちやカロリーナ、もちろん私も楽しそうに料理するからね。


「じゃあ、簡単なものにしないとね!」


「せっかくだからトリアにも楽しんでほしいのです」


 不器用以外の理由でも、料理に対して興味が持てない人は少なくない。

 できれば義務ではなく、たまには作ってもいいかなぁ? と思ってもらえるあたりを目標に据えた。


 スライムたちと相談の結果。

 本日のお昼は、サンドイッチ各種とフライドイモジャガ、ジシメとネギタマのミルクスープに決定した。

 サンドイッチは一応、卵系、肉系、魚系、野菜系、フルーツ系の五種類を想定している。





*今回ステータスの変動はありません。


 喜多愛笑 キタアイ


 料理人 LV 4 


 スキル サバイバル料理 LV 4

     完全調合 LV10

     裁縫師範 LV10

     細工師範 LV10

     危険察知 LV6

     生活魔法 LV 5

     洗濯魔法 LV10

     風呂魔法 LV10

     料理魔法 LV13 上限突破中 愛専用

     掃除魔法 LV10

     偽装魔法 LV10

     隠蔽魔法 LV10

     転移魔法 LV∞ 愛専用

     命止魔法 LV3 愛専用


     人外による精神汚染


 ユニークスキル 庇護されし者


 庇護スキル 言語超特化 極情報収集 鑑定超特化 絶対完全防御 地形把握超特化  解体超特化


 称号 シルコットンマスター(サイ)


 赤煉瓦倉庫街には何度か行ったことがありますが、参考になったというドイツの倉庫街には行ったことがありません。

 旅行は日本に限るとか思っておりますが、行っても良いなぁと思う外国の一つにドイツがあります。

 ヴルストとホワイトアスパラガスが食べたいです。

 あとクリスマス市も見てみたいです。


 次回は『ふわふわパンのサンドイッチをトリアと。(仮)』の予定です。



 お読みいただきありがとうございました。

 引き続きお付き合いいただけたら嬉しいです。

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