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お薬系を作り……完全調合を取得しました。

 楽しすぎて6000文字超えたので、半分に割りました。

 素直にお薬調合だけしていればいいんですけど、つい料理を作っちゃうんですよね。

 料理している描写は削っても、食材&料理説明が筆が進む君なので、つい入れてしまいます。


 明らかな誤字脱字、ストーリー上の齟齬などがありましたら、指摘いただけるとありがたいです。

 誤字脱字はなるべく早く修正しますが、ストーリー上の齟齬に関しましては、後々のフォローになる場合もあります。




「寝過ぎたわ!」


 勢い良く飛び起きれば、洞窟へ差し込む陽光の色が優しい。

 時間は既に夕刻を回っている気配だった。


「疲れていたのねー。起き抜けにお水を飲むのねー」


「あ! なんか、良い感じのカップだね?」


 スープボウルにもなりそうな、コップよりは平たい石器。

 よくこんな都合の良いくぼみができたものだ。

 カフェボウルが一番近いかもしれない。


「サイが見つけたのねー」


 うにょんと伸びた触手でカップに水を汲んでくれる。

 器用なものだ。

 しかし綺麗な湧き水は本当に便利でありがたい。

 運のステータスが表示できるなら、∞レベルじゃないだろうか。

 ごっくごっくと飲み干せば効果は抜群で頭がすっきりする。


「お腹はどうなのねー?」


「寝てたせいかな? まだ空かないかも」


「昨日の残りがあるから、食べたかったら何時でも食べるといいのねー」


「了解。ありがとうね。皆はどこ?」


「ローズとモルフォが狩り、サイとサクラが採取なのねー。私はお留守番なのねー。夕食には帰る予定なのねー」


「なるほどねん。じゃあ私は薬系を頑張ってみようかなぁ……調剤のスキルとかって必要なの?」


 昨日の鑑定結果を思い出しながら薬系の材料を並べる。

 傷薬ができるらしい、キズナオール草の葉。

 同じく傷薬ができるらしい、キズナオール草の根。

 虫よけになるらしい、野生イモジャガの葉。

 栄養剤が作れるらしい、ホワーンラビットの血液。

 

「ないと作れないのねー。本来なら色々な取得条件があるのねー。でも愛は優秀だから、自力でスキルも取れるのねー。キズナオール草の葉で、傷薬ができる、絶対できるって、念じるのねー」


「キズナオール草の葉で傷薬ができる。超良く効く奴が出来る。絶対できる。たくさんできる。更に効率よく出来る。容器付きでできる!」


『スキル 調合を会得しました。調合スキルのレベルは10です』


 お!

 すごっ!

 一気にマックスですか。


『スキルレベルが上限に達したので、上位スキル 素敵調合を会得しました。上位スキル 素敵調合のレベルは10です』


 上位スキル。

 ってーか、素敵調合って何?

 素敵調合って!

 ちょっと面白くない?


『スキルレベルが上限に達したので、最上位スキル 完全調合を会得しました。最上位スキル 完全調合のレベルは10です』


 は、え?

 なんかこう、凄すぎない?

 やっちゃった感があるんですけど!


「さすが愛なのねー。一流薬師でも上位スキルが目一杯なのねー」


「やりすぎた?」


「特に最後の『容器付きでできる!』が、完全調合まで引っ張り上げたんじゃないかと思うのねー」


「おお! 貴腐人の妄想力は最強だね!」


「貴腐人関係ない気がするけど、愛がそう言うのならそれでいいのねー」


「じゃあ、心置きなく……キズナオール葉の傷薬から作ろう! ん? おぉ! 凄いわ、完全調合!」


 なんと、頭の中にレシピがぽんと浮かんだ。

 可愛らしいイラスト付きだ。

 大変解かりやすい。

 ちなみに、縦スクロール画面になっています。


「綺麗な水はたくさん汲んでおいたのねー」


「ありがと!」


 脳内で鮮やかなレシピに従って作業を進めていく。


 掌サイズのキズナオール葉を平たい石の上で5枚すり潰す。

 葉皿に入っている綺麗な水の中に残さず投入。

 レシピに浮かぶ綺麗な水の空白部分に数字が出てきた。

 100と80。

 20ほど足りないのかしらん? と判断して、少しづつ入れると、案の定数字が増えていく。

 100になった時点で止めた。

 水洗いした木の棒でぐるぐると混ぜる。


「目、めがぁ!」


 薬材がぴかっと光った。

 叫ぶほど眩しくはなかったが、オタクとして一度は言っておきたかったので大袈裟に挑戦した、のだが。


「……」


 リリーは無言だった。

 しかも憐れみに満ちた目をしていた。


「リリーちゃん、冷たい……」


「一緒に目が、めがぁ! ってやって欲しかったのね?」


「そうじゃないけどさー」


 笑えないギャグで周囲の空気を凍らせていた使えない上司に、ほんのちょびっとだけ親近感を覚えたよ!


「拗ねてないで、確認するのねー。鑑定は……サクラだけ呼ぶのねー」


「あ、呼べるんだ?」


「愛も呼べるのねー。危険が迫ってたらたぶん転移してくるのねー」


「そこまで急がなくても良いよ?」


 一通り作ってからでもいいし。

 今までの流れからしても、たぶん失敗はしていないと思うし。


「呼ばれたのです! ただいまなのです!」


 と、思ったら転移してきた。

 そこまで急ぎでもなかったので、大変申し訳ない。


「はやっ! おかえりー。でもってお疲れ様ー。呼び出しちゃってごめんね?」


「いいのです。採取は順調です。サイは優秀です。ガンバレ草の種も預かってきたのです」


「あー栄養剤のアイテムか。助かるわぁ。本当に君達ときたら優秀すぎて……愛、困っちゃう!」


 高速でサクラの頭を撫ぜまくる。

 ぷるるんるるんと震えるのが大変可愛い。


「鑑定して欲しいのはこれなのねー」


「わかったのです」


 キズナオール傷薬 オリジナル瓶入り

 飲み薬タイプ

 ランクSSS

 HP回復120%

 MP回復120%

 SP回復120%

 ほんのりフルーティーで飲みやすい。

 気分をすっきりさせる。

 精神疲労を回復させる。

 10本分

 オリジナル瓶は鈴蘭の意匠が掘り込まれている。

 香水瓶にもなりそうな出来栄え。


 ……さすがは完璧調合非の打ちどころがない感じ?

 飲みやすいのはポイント高いよね。

 というか、どこからフルーティーな香りが出てきたんだろう。

 果実は使ってないのにさ。

 組み合わせの妙って奴かしらん。

 気分すっきりとか精神疲労の回復とか地味に美味しい効果な気もするわー。


 あとはあれだね。

 瓶の出来が良いね。

 鈴蘭は一番好きな花だからかな?

 あの小さい花と独特の香りと花言葉が好きなんです。

 幸せを運んでくるっていう。

 向こうでは全然だったけど、こっちでは運んでくれるとうれしいなぁ……。



「……凄いのです! さすがは愛なのです!」


「どの辺が?」


「普通に流通しているキズナオール傷薬は、ランクCで回復はHPのみで50%回復なのねー。良くてもAで80%回復ねー。葉5枚ならできるのは1本なのねー。入れる瓶は別売りになってるのねー」


「最低ランクはEなのです。作り始めて一ヶ月はEか良くてもDしか作れないはずなのです。瓶は上位スキルの人でも作るのが難しいので、ほとんどの人が買っているのです。やっぱり愛は凄いのです!」


「……でも、これって売れないよね?」


 ラメ入りですか?

 という具合で、きらびやかに光っている瓶を振る。

 ちゃぽんと可愛い音がした。


「売りようは幾らでもあるのねー。安心するのねー。それと最高ランクを作ってしまえば、それ以下のランクはレシピを所望すれば即時作れるのねー」


 頭の中には、ずららっとEランクからSSSランクまでのレシピが浮かんだ。

 コンプリート癖のある自分としては大変ありがたい。

 隙を見て、Eランクから10本づつぐらいは作って置きたいものですとも。


「この瓶なら誰にも真似できないから、安心の独占販売ができるのです。Sランク以上は大手の仲介業者に限定本数で下せばいいのです」


「自分で売った方が良くない?」


「料理はまだしも、薬系は儲けが大きいから、表舞台に出ない方がいいのねー」


「後は料理で手一杯で、薬系まで自分でやり切るのはしばらく難しいと考えられるのです」


 なるほど。

 聞けば聞くほど、優秀な彼女達の忠言に従った方が良さそうだ。

 両手でリリーとサクラを存分にこねくり回しておく。


「名残惜しいけど、私はサイの所に戻るのです! また、良いアイテムをたくさん入手してくるのです!」


「あ! 宜しく。サイにも無理しないで頑張って! って伝えてねー」


「了解なのです!」


 びしっと、伸ばした触手で敬礼をしたサクラが、ジャンプの一つで転移して消える。


「転移凄いね!」


「愛もその内使えるようになると思うのねー」


「逃げる時用に早めに会得したいわぁ」


 これだけ規格外だと、気をつけていても目を付けられるだろうしね。

 人との相性はたぶん、こっちでも良くないと思うし。

 


 中途半端なところで終わっていてすみません。

 次回は、お薬系を作ったら、市場混乱アイテム乱発しました。 になります。


 お読みいただいてありがとうございました。

 次回も引き続き宜しくお願いいたします。

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