表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
189/198

ヨユヒャネイ離宮の夕食。中編

 マクドナルドの新作を大好きな大食い実況さんの実況で知る今日この頃。

 博多明太ぽてとが一番食べたいのですが、他の二種類も捨てがたい……。

 一人でこっそり三種類の食べ比べをしようかしら。

 


 三ページ目に掲載されていたのは白いお皿にこんもりと盛られたキノコ。

 キノコのマスタードマリネ。

 リンギエ(エリンギ)、ジシメ(しめじ)、キエノケタ(えのきたけ)を炒めてのち、粒マスタードのマリネ液に浸したもの。

 食材は全てヨユヒャネイ離宮産を使用。


「お、こっちの唐辛子もかなり利くんだなぁ」


 キノコの山に彩りです! と主張された赤い輪。

 異世界ではピリッカラーというらしい。

 全体も向こうと同じ形なのだろうか。

 案外輪のまま存在している気もする。


「ん。あちらの唐辛子の中に輪切りにされた物が入っているの」


 モルフォが跳ねてきて教えてくれた。

 

「太い方の端っこを切って振ると、中から輪切りのピリッカラーが出てくるの」


 だそうだ。

 切らずに使ったらあちらの倍は辛そうだよね。


 四ページ目にはパテの豪華版(と自分は認識している)

 パテドカンパーニュ。

 クックルーの内臓、ポークのバラ、ポークの挽き肉とミックススパイスで作られている。

 食材は全てヨユヒャネイ離宮産を使用。

 可愛らしいピンク色の薔薇柄で縁取られたお皿に鎮座していた。

 

「え? 内臓ってこっちでは食べられていなかったよね?」


「う。一般的には食べられていないのよ。扱える料理人が少ないのよ。大規模食中毒とか過去に何度か出ているから、あえて食べられない情報が広がっているのよ」


 なるほど。

 そういった事情なのね。

 だとしたらこの手はさぞ美味しいだろう。


「美味しいわ……」


 案の定美味しかった。


「う。スパイスの調合が絶妙なのよ。ちょっと挑戦したくなるのよ」


 サイの目がきらっと輝いた。

 レシピを検証したくなる美味しさ認定したようだ。

 その気持ち、よくわかるよ!

 見た目も綺麗だし。

 スライムレシピに是非入れてほしいよね。


 前菜の最後はシャンパングラス? に入っていた。

 オレンジベリー(オレンジ)とジンニン(にんじん)のラペ。

 ウォールナッツとドライツルンベリー(クランベリー)がアクセントになっている。

 食材は全てヨユヒャネイ離宮産を使用。


「ツルンベリーって! あー、ツルコケモモからきているとか?」


 クランベリーの別名はツルコケモモだった。

 レッドベリーは苺だからね。

 誰かが名付けに悩んだ結果なのかしら。

 好きな果物なのでこちらにあって嬉しいけど。


 お代わりを迷って、品数的に微妙だと判断して諦める。

 全種類制覇できそうであれば、そちらを優先する性分なのだ。

 明らかに無理だった場合は、諦めて自分が好きそうな物を優先するけどね。


 前菜の次に書かれていたのはスープ。

 スープは二種類です! と片隅に書かれている。

 さらにはスープにパンをつけても美味しいので一緒にどうぞ! とのコメントもあった。

 それならばとパンのページに飛ぶ。

 パンは五種類あるようだ。

 こちらは全部一度に一つずつ持って来ようと席を立つ。


 バケット。

 細長い全体と薄く切られたイラスト。

 パテを乗せたものも描かれている。

 スープに浸して食べるのに最適らしい。


 カンパーニュ。

 ドーム状の全体と薄く切られたイラスト。

 ウォルナッツとパープルドライベリー入り。

 クリームチーズを塗って食べると美味しいとのこと。


 クロワッサン。

 全体イラストにはバターがのせられて、美味しそうにとろけている。

 実際はかなりのバターが利いているようで、追いバターは迷うところだ。


 ブリオッシュ。

 独特な全体と真っ二つに割れたイラスト。

 なんとアイスクリームが挟まれている。

 スイーツとして食べるべきだろうか。


 エピ。

 麦の穂の形をした全体が描かれている。

 ベーコンとチーズが交互に入っているようだ。

 どちらも好きなので嬉しい。


 どれも美味しそうだったが、バケット、カンパーニュ、ブリオッシュはスライスを一枚ずつ、クロワッサンとエピは小さく作られていたので一つを盛った。


 続いてスープコーナーに足を伸ばす。

 メニューを見てからの移動が今回の基本。

 

 試飲用のスープカップに入っているようだ。

 ボカッチャ(かぼちゃ)のポタージュ。

 隣には乾燥パセリと黒胡椒の小瓶まで描かれていた。

 食材は厳選されたフォイゾリカ産(高級ボカッチャの名産地)


 しかし現実では蓋付温め機能付、大きめの銀の器に入っていた。

 器の隣にはイラストで描かれていた小さなスープカップが置かれている。

 今回は自分で好きなだけ入れる仕様だ。

 入れすぎないように注意する。

 迷ったがパセリと黒胡椒は両方入れることにした。

 小瓶は調整されているのか、本当に少ししかでなかった。

 有り難い。

 どばっと出ちゃうと取り返しがつかないからね。


「うーん。クリーミー」


 優しい味だ。

 そして濃厚で甘い。

 お代わりが飲みたくなったので、慌てて次のページを捲った。

 そちらの方が好みのスープかもしれないしね。


 次のページには両方に取っ手がついた試飲カップ。

 オーマルエービ(オマールエビ)のビスク。

 こちらは乾燥パセリが既に振り掛けられて描かれている。

 食材は厳選されたギミルメー産(魚介の名産地) 


 こちらもポタージュ同様の入れ物に入っており、自分で入れるスタイル。

 イラストに従ってパセリを振るっておいた。

 試飲用の両手カップって結局片手で持つよね? と誰に向かってでもなく心の中で囁いてから傾けた。


「あー、こっちはエービ? の味が強いなぁ」


「オーマルエービはエービの中では高級食材ですわね。他のエービに比べて格段に旨味が強いと言われておりますわよ」


 肉一択のローズかと思えば魚介もいけるらしい。

 私と違って小さい両手カップをきちんと両手で持って飲んでいた。

 はぁ、可愛い。


「今日は珍しくお代わりしませんのね?」


「全種類制覇してから気に入った物を食べるスタイルです!」


「愛の胃袋は無限大かと思っておりましたのに」


「いやー、さすがに限界はあるよ? ……うん、ある」


「そこで悩まないでくださいませ。そういった事情であれば問題ありませんの。好きに召しあがればよろしくてよ?」


 心配してくれたのかな?

 もっちりとした頭? を撫でておく。


「頭を撫でるのは食事中以外にお願いしますわ!」


 掌にぐいぐいと頭? を押しつけられながら言われても説得力がないです。

 

しかしそうと指摘してしまえばローズは拗ねるだろう。

 

「では食後にまた撫でるわね」


 と一撫でしたあとで答えておいた。


 どちらも美味しいスープだったが、パンに浸すほどの量がない。

 肉や魚のソースは掬えるだろうか。

 バケットはそれように残しておくとして、エピを口にした。

 よく見る物より大分小さい。

 ベーコンとチーズもやはりヨユヒャネイ離宮産なのかしら。

 この硬さがいい。

 やわらかいパンも大好きだが、ハードなパンも楽しめる。

 一口でベーコン、二口目でチーズ。

 あっという間に終了だ。


 続けて追いバターをしないでクロワッサンを口に入れる。

 所謂ミニクロワッサンなので一口でいけてしまった。

 追いバターをしないで正解。

 口の中にじゅわんとバターの味が広がった。

 こっちにもあったんだね、発酵バター。

 販売しているのであればこれは是非とも購入したい。

 販売していないなら、スライムたちに作ってもらうようにオネダリをしたいところだ。

 それほどに美味しかった。


 パンを全種類制覇したい気持ちを押し殺してメニューを捲る。

 お次はサラダ二種類。


 オリーブとアンチョビン(アンチョビ)サラダ。

 ガラスのサラダボウルに入っている。

 粉チーズの瓶も描かれていた。

 食材は全てヨユヒャネイ離宮産を使用。


 イモジャガサラダ。

 白いサラダボウルに入っている。

 粒マスタードで仕上げたシンプルなものらしい。

 食材はヨユヒャネイ離宮産と厳選されたエネビィパーラ産(高級イモジャガの名産地)を使用。


 両方一緒に持ってきた。

 

「へぇ、オリーブとアンチョビサラダに粉チーズがあうとは知らなかった」


 ぱらっとしかかけなかったが随分と印象が変わる。

 かけなかった物と食べ比べがしたくなってしまうのだ。

 そもそもこの組み合わせだとドレッシングとしてでしか食べていなかったように思う。

 葉物サラダにかかっていてとても美味しかったという記憶があった。

しかし今回は粉チーズのおかげなのか、十分な一品になっているのだ。


「ん。葉物サラダにドレッシングとしてかけるのも食べてみたいの」


「うん。そっちも美味しいから今度作ろうね」


「ん。食材の準備はまかせてなの」


 アンチョビンはこっちでも高級食材の予感がする。

 スライムの手にかかれば希少食材ではなくなるのが有り難いです。


「……イモジャガ自体が美味しいんだろうね。粒マスタードが良いあんばいだわぁ」


 ポテトサラダというと他にも野菜が入っている場合が多いが、シンプルなのも美味しい。

 何というかいもいもしさが際立つ感じ?

 いも好きとしては嬉しい限りだ。


「う。ハーフ&ハーフだからこその味なのよ。それぞれ食べても美味しいけど、このバランスは料理人たちの研鑽によるのよ」


 サイの説明を聞きながらカンパーニュを食べる。

 一緒に置いてあったクリームチーズをたっぷり塗れば大変美味だった。





 喜多愛笑 キタアイ


 状態 何を食べても美味しくて満ち足りています 


 料理人 LV 4


 職業スキル 召喚師範 


 スキル サバイバル料理 LV 5 

     完全調合 LV10

     裁縫師範 LV10

     細工師範 LV10

     危険察知 LV 6

     生活魔法 LV 5

     洗濯魔法 LV10

     風呂魔法 LV10

     料理魔法 LV13 上限突破中 愛専用

     掃除魔法 LV10

     偽装魔法 LV10

     隠蔽魔法 LV10

     転移魔法 LV ∞ 愛専用

     命止魔法 LV 3 愛専用

     治癒魔法 LV10

     口止魔法 LV10


     人外による精神汚染


 ユニークスキル 庇護されし者


 庇護スキル 言語超特化 極情報収集 鑑定超特化 絶対完全防御 地形把握超特化  解体超特化


 称号 シルコットンマスター(サイ)   

 今年はレンゲが当たり年らしいですよ。

 蜂蜜専門店のメルマガで知りました。

 レンゲ蜜は好きなので購入したいところ。

 最近はまっている簡単手作りスコーンにたっぷりつけて食べたいですね。

 ……ふ。

 食べる話ばかりしていてすみません。


 次回は、ヨユヒャネイ離宮の夕食。後編。(仮)の予定です。


 お読みいただきありがとうございました。

 引き続き宜しくお願いいたします。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ