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お腹もいっぱいになったことですし……。

 今週の休みに主人とカラオケに行くことに!

 先日何年ぶりかに友人たちと行ったら声が出ないわ、音が取れないわで絶望した話を言ったら、一緒に行こうか……と言ってもらったので、うきうきと肉御飯プランを選びました。

 カラオケより肉御飯が楽しみな気がしないでもないです。

 


 自分たちのあとに離れの予約は入っていないと聞き、そのままここで打ち合わせをすることにした。

 打ち合わせといってもアランバルリに三人で決めたことを報告するのがメインになりそうではあるけれど……。


「まずは私がスライムたちと話しあったのが、こちらです」


 私はすっと三人の前に用紙を差し出す。

 教会で相談予定の一覧だ。


 新しいサバイバル料理のレシピ。

 あやとり以外の知育玩具の提案。

 インセクトダンジョンのドロップ品&宝箱の中身について。

 薬関係のレシピ。

 コース料理のレシピ。

 オークションについて。


 と書き記してある。

 細かい打ち合わせ内容は書かなかった。

 たぶん突っ込み所が多すぎて大変だと考えたからだ。


「フォルス様……一つ付け加えていただけますか?」


「ん? いいけど」


「フォルス様が着用されているドレスについて、です」


「え? 教会で話し合わないと駄目なの!」


「駄目です。謁見の際には王弟殿下にもお出ましいただきましょう。それぐらいの代物です」


「だよなぁ」


「ですよねぇ」


 ボノとスルバランにも深々と溜め息を吐かれた。

 やはり総シルコットンのエンパイヤラインは女性の心を鷲掴んで離さないらしい。

 

「初めて見るデザインもすばらしい上に、繊細なシルコットンをどう扱えば仕上がるのかと思われる緻密で美しいレースの仕立て。王妃が自分の影を動かして誘拐を命じる可能性が高いです」


 王妃ぇ……。


「王妃は少々自己顕示欲が強い方ですが、内政外政にも強く、己のできることをきちんと認識しておられる方。聡明と言っても大げさではないでしょう。しかし! その王妃様を惑わすドレスがフォルス様着用のドレスなのです」


「ああ、国同士の交渉に使えるぞ、それ」


「王妃と王女で血みどろの取り合いが心配されます」


 想像以上だったよ!


「一年に三着までなら作ってあげるのねー」


「誕生日と建国記念日と結婚記念日用なのです」


「ん。そうなると王女のドレスは二枚なの」


「う。王族以外は交渉するのよ」


「ドレスのデザイン画は良い針子が頑張れるなら卸してもよろしくてよ?」


 そして良い針子が悪い針子になってしまうレベルで働かされるのですね、わかります!


「……ドレスのデザイン画が許されるのであれば、当面は落ち着くでしょう」


「へぇ。俺はもっと欲しがるかと思ったぜ」


「少しは考えなさい、ボノ。相手はフォルス様ですよ?」


「……あーそうだったな。悪りぃ。無茶を言ったらさくっと国外逃亡しそうだもんな」


 ですね。

 スライムたちと一緒なら何処に行ってもいいし。

 ホルツリッヒ村はトリアがいるしね。

 トリアレベルのエルダートレントを倒そうとしたら、国が半壊はしそうだもんね。

 カロリーナやペネロペだって戦力になるし。

 私たちなら何時でも参戦できるしね。

 それこそ独立国家だって夢じゃない。

 やらないけど。

 王弟殿下に頑張っていただくとしましょうか。


 そういえば、王位継承権第三位って言い方が長すぎるので、サクラに相談したら、王弟殿下でいいのです、って答えてもらったからさ。

 アランバルリに王弟殿下って呼んでもいいのかな? って尋ねたら、王弟と御説明いたしましたか? って聞き返されちゃったよ。

 サクラに聞きましたって、素直に返答したら、諦観の微笑を浮かべられたっけ。


「ドレスの件については、今決まったことを明記して一番に王弟殿下に相談しましょう」


 それ以降アランバルリも、信用できる人の前では王弟殿下って言うようになりましたとさ。

 ボノやスルバランはそもそも知っていたみたいだから、その辺は問題なさそうで一安心です。

 何かね、吹聴することではないらしいよ?

 知らない人の方が多いらしい。

 私の常識だと王族を前面に出した方がいろいろと良いと思うんだけどね。

 所詮は一般人の意見だけどさ。


「んじゃ、俺も質問。知育玩具って何だ? あやとりって?」


「おや、知らないんですか。教会発祥の紐を使った手遊び。新しい遊び方を発案すると教会から優遇措置が施されるとあって、かなり広く知れている話なのですが」


「し、知らねぇぞ……」


「冒険者も結構知っているみたいですよ。馬車の中で遊んでも酔わないのがいいんだそうです」


 あー長時間馬車に揺られていると手持ち無沙汰だもんね。

 読書は酔うし、寝過ぎも良くないし。

 武器の手入れにも限界があるしね。


「知育玩具とは、知的能力の育成、知識を習得させるための玩具……と言われています。あやとり紐は女児の髪の毛を纏める紐にもなっているので、一石二鳥ですね」


「へぇ。体を動かす奴はあんのかよ?」


「あるわよ。何だか知育玩具よりも遊び方の説明になった気がするけどね」


「その辺りは問題ないかと。子供たちが大人しく、怪我もなく遊ぶなら、それだけで親は大喜びですよ」


「おぉ! スルバランらしくもねぇ。お前なら玩具があってこその遊びじゃねぇの? 遊び方の説明なんて商売にならねぇだろうが」


「貴男にだけは商売を語られたくはありませんねぇ」


 二人揃ってドヤ顔しなくても。

 仲が良いよねぇ……。


「体を動かす知育玩具はスライム紐飛びかしら。単純に外遊びというなら、縄跳び、胴縄、石馬、石蹴りあたりね」


「石蹴って何が楽しいんだ?」


「きちんとした決まりごとがあるのよ!」


 私はぷりぷりと怒りながら缶を石に変えた上で、缶蹴りの説明をする。

 最後までで大人しく聞いていたボノにがしっと肩を掴まれた。

 痛い。


「おもしれぇなぁ、おい! 他のも教えてくれよ!」


「その前に肩を離しなさい。馬鹿力のボノ!」


 ローズがボノの手に絡みついてぺいっと外してくれた。

 肩には指の跡でもついていそうだ。

 あとで薬でもつけておこう。


「興奮されては困るので、私が説明するのねー」


 リリーが説明を買って出てくれた。

 スライム紐跳びを含めた外遊びの説明を丁寧にする。

 私はその間、オセロとトランプ以外の知育玩具を思い起こしてみた。

 チェスなんかは、知育玩具というより大人のゲームだろう。

 こっちにはそんなゲームがどれだけあるのかしら?

 ゲームというとギャンブル寄りは気もしてくる。

 この世界のギャンブルってどんなものがあるのかなぁ。

 ギャンブルなんてそれこそ国を揺るがしそうで触れたくない。

 思考が迷走してきたよ!


「子供の外遊びどころか、大人の訓練になりそうなもんばっかりじゃねぇか!」


 説明を聞き終えたボノがリリーをもみくちゃにしている。

 やはり彼女に説明を任せて正解だったようだ。

 

「その辺りは王弟殿下と相談して子供用と訓練用とで区別をすればいいのでは?」


「そうですよ。何も大人の訓練にしてはいけないわけではないのですから」


「それもそっか。縄跳びとか今日からでも訓練に入れてぇよ。室内でも場所さえ確保できれば簡単にできそうじゃねぇか」


 室内トレーニングにいいもんね、縄跳び。


「……しかし話がどんどんずれていくわねぇ。他に質問は?」


「詳しいレシピとか聞きたいですけれど……」


「王弟殿下がいらっしゃるときに説明しますね」


「俺たちの仲じゃねぇか! 教えてくれたっていいだろ?」


「オークションについては、ドーベラッハの冒険者ギルドと商人ギルドも参加してくれるんですよ」


 ボノのオネダリはまるっと無視をしてアランバルリに話しかける。

 これは伝えておいた方がいいだろう。


「あ、そうなんですね。それなら教会からも出すとおっしゃりそうですね」


「そうよね」


 教会なんて、ギルドよりよほど抱え込んでそうじゃない。

 やばいアイテム。


「インセクトダンジョンのドロップと宝箱のアイテムも結構凄くてね。聞く?」


「……一覧はありますでしょうか」


「あるよー」


 無視されてむくれるボノは一瞬で質の悪い笑顔になり、スルバランはそんなボノを見て溜め息を吐いている。

 一覧を見て驚くアランバルリが見たかったようだ。

 しかしアランバルリは一覧を見て、いたって冷静な表情で時々大きく頷く程度の反応だった。


「もっと驚くかと思ったぜ、アランバルリ」


 何処の子供かと突っ込みたくなる唇の尖らせ具合に、アランバルリは儚い微笑を浮かべてこう答えた。


「初めてホルツリッヒ村を訪れたとき以上の衝撃はそうそうないと思いますよ?」


 と。


 アランバルリをしっかりと鑑定した結果。

 初対面で異世界素材を使ったアイテムまで披露したからねぇ。

 ダンジョンドロップ品は凄いけれど、この世界の品だ。

 想像はつく。

 だが異世界品ではそうはいかないのだ。

 あちらの方が随分と進んでいるみたいだしね。

 理不尽な目に遇ってきたアランバルリには、私の信用を含めて衝撃だったのだろう。


「それでもこの一覧を拝見すれば……さすがはフォルス様の踏破結果でございますね。と感心はしますよ?」


「俺的には驚いてほしかったんだよ」


「ボノは驚いていましたからねぇ」


「お前だって人のこと言えねぇだろうが!」


 拗ねるボノ。

 煽るスルバラン。

 二人を微笑ましい目で眺めるアランバルリ。

 これがこの三人の関係なのかなぁと、特に意味もなく考えている横で。


『素敵な三角関係ですわ。妄想がとても捗りましてよ!』


 ローズの欲望に塗れた感想が脳内に流れ込んできた。

 そうよね。

 腐った目で見ると大変美味しいわよね。


「……なんだよ。そんな目で見るなよ。俺が大人げなかったって。悪かった」


 私の腐った眼差しはそこまでボノを落ち込ませるものだったのだろうか。

 頭を下げて謝られてしまった。 




 喜多愛笑 キタアイ


 状態 釈然としない心持ち new!!


 料理人 LV 4


 職業スキル 召喚師範 


 スキル サバイバル料理 LV 5 


     完全調合 LV10

     裁縫師範 LV10

     細工師範 LV10

     危険察知 LV 6

     生活魔法 LV 5

     洗濯魔法 LV10

     風呂魔法 LV10

     料理魔法 LV13 上限突破中 愛専用

     掃除魔法 LV10

     偽装魔法 LV10

     隠蔽魔法 LV10

     転移魔法 LV ∞ 愛専用

     命止魔法 LV 3 愛専用

     治癒魔法 LV10

     口止魔法 LV10

     人外による精神汚染


 ユニークスキル 庇護されし者


 庇護スキル 言語超特化 極情報収集 鑑定超特化 絶対完全防御 地形把握超特化  解体超特化


 称号 シルコットンマスター(サイ)   

 バレンタインのチョコ情報が出始めています。

 今年は何処で買おうかなぁ……何のイベントで一番人に配るイベントな気がします。

 主人の分と言いつつ自分も食べられそうな物を選んでしまうだけでなく、自分でも選んでしまうことに……チョコレート菓子好きなんです、ええ。


 次回は、 教会に到着しました。(仮)の予定です。


 お読みいただきありがとうございました。

 引き続き宜しくお願いいたします。 

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