表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
136/198

昆虫ダンジョンインセクト 23

 すみません。

 文字数の関係で、ジャクロット王国十三王女。中編を削除して、前後編に修正しました!

 当初前中後編にするつもりが、思いの外短くなってしまったのが原因です。

 削除した分の代わりとして、昆虫ダンジョンインセクト23を投稿しますね。

 

 VRでダンジョン攻略ものに挑戦したいのですが、酔ってしまうので断念せざるをえない今日この頃です。



 宝箱が地面に置かれている場合、基本的には道の行き止まった場所が多い。

 道のど真ん中に置かれていたら、どんなトラップよ? って思うしね。

 けれどモルフォが先導してくれた次の宝箱は、隠し部屋にあった。

 行き止まりの壁を叩いたら隠し部屋が現れる鉄板な寸法だったけどさ。


「っつ!」


 セリノが咄嗟に私の前へ出た。

 庇ってくれたらしい。

 既に私への攻撃は届かないと、経験上わかっているのに凄いよね。


 隠し部屋が現れた途端、部屋の奥から矢が飛んできたんだよ。

 初心者だと即死レベル。

 昆虫ダンジョンを最下層まで攻略できる冒険者でも怪我はしたかもしれない。

 そんな罠が発動した。


「こ、これもフォルス様のスキルか、魔法、ですか?」


「いいえ、これはローズのスキルね」


 攻撃無効も攻撃反射もできる、便利な結界。

 今回は攻撃無効バージョン。

 空中に十本の矢が浮いている。

 見えない結界に刺さっている状況だね。

 私をかばったセリノも守護対象になったようだ。


 三本の矢は紫で、二本の矢は真っ赤。

 紫は毒で、真っ赤なのは高熱を維持している印象。


「……紫は毒矢で解毒が難しいのです。真っ赤な矢は人の肌が焼け焦げる温度まで熱せられていたのです。錆色の矢は錆びている上に返しがついているので、病気になる確率が高いのです。随分と危険な矢なのです」


 放射状に広がったから、一般的なパーティーなら前衛は逃げ切れなかっただろうね。

 隠し部屋がモンスターハウスの場合もありそうだから、慎重にいかないとだなぁ。

 うちの場合はスライム無双で安心だけど、今はセリノがいるからさ。


「矢は保管しておきますわ。危険な物ですもの。あとで冒険者ギルドに提出して、注意喚起をいたしましょう」


 ローズの言うことには一理あるので、こっくりと頷いておく。

 しゅぱんと勢いよく十本の矢がローズに収納された。


「……い、今の見た目ですと、ローズさんが矢を受けたように見えますね……心臓に悪いです」


 私は慣れたけど、顔色が悪いセリノはとんとんと心臓を叩いている。

 

「私たちに物理攻撃は無効ですわ。レベルの高いスライムも攻撃を吸収したりしますでしょう?」


「耳にはしていますが、まだ僕は見ていません。見ていれば少しは安心したかもしれませんが……」


 ローズの触手で頭を撫ぜられたセリノの表情は、幾分か赤みを取り戻す。


「う。宝箱を鑑定するのよ」


「ん。ちょうど良い広さの隠し部屋だから、入り口を軽く塞いで、ミートキリトリ肉祭りにするといいの!」


「おぉ! それはいい提案だね。早くリリーも帰ってこないかなぁ」


「宝箱の中身は、フラワーキリトリの素材詰め合わせなのです。羽、鎌、眼球、ファランジリングの全種類セットなのです」


 サクラの鑑定に巨大だがシンプルな宝箱を覗き込む。

 中にはサイズも形も違う宝箱が四種類入っていた。

 一つを開ければ、眼球が綺麗に並んでいる。

 眼球といっても中に花や花びらが入っているので、そこまでの悍ましさはなかった。


「これまた凄いですね……バラさないでオークションに出品したら、王族とかが落札しそうで怖いです」


 セリノがフラグを立てた気がするが、スルーしておこう。


「リリーが帰ってくるまで時間があるから……セリノはここで休憩をしてるの?」


「いいえ、御一緒します」


「う。私が一人で留守番するのよ。だから安心して宝箱を入手するのよ」


「ん。宝箱はあと一つなの。離れた場所にあるから、入手して戻る頃にはたぶん、リリーも戻っていると思うの」


「なるほどねー。じゃあ、悪いけどお留守番よろしくねー、サイ」


 ダンジョンでは出番の少ないサイが留守番を買って出てくれる。

 他の冒険者が辿り着けるとは思わないけど、一応ね。

 この階にも他に冒険者はいるしさ。


 サイを一撫でして隠し部屋を出る。

 ローズが壁を元通りにした。

 これならそう簡単にはわからないだろう。


 モルフォが歩き出すのに続く。

 

「ここまで来て今更感があるけど、ダンジョンで採取ってしないの?」


「いいえ、しますよ。このダンジョンでも採取できる物はあります」


「あら、採取をしたかったんですの? 依頼にはなかったので、特に必要性を感じませんでしたわ」


「あーそうだったんだね。ちなみに採取できる物ってどんな物があるの?」


「お勧めは各種苔です。需要が高いのです。汎用性も高いので、採取しているのです」


「えぇ! 何時の間に?」


 サクラの触手が指す方向を見れば確かに、壁に張り付いている苔があった。


「採取に時間がかかるのと繊細な作業なので、面倒かもしれないと判断したのです」


 そうなんだ。

 専用のピンセットとか使うのかな?

 少量ならまだしも大量なら大変だよね……。


「必要であれば僕も採取しますよ?」


「採取ではレベルがあがりませんわ」


 あ。

 そうか、そっちを優先したのか。

 なるほどね。

 私はさて置き、セリノのレベルはなるべく上げてあげたいもんなぁ。


「このダンジョンは採取するものが少ないのです。あとは……採取した物に小さい虫がついていることも多いのです」


「ひぃ!」


「ん。ただでさえ虫が苦手だから、無理はしてほしくなかったの」


 うちのスライムたちは何時だって過保護です。

 でもブラックなあやつの、小さいバージョンが集っている採取物とか、本当に勘弁だわ。


「最下層では希に光苔が採取できますわ。小さい虫に集られまくりですけど……挑戦してもよろしくてよ?」


「……今回はパスさせていただきます……」


 採取好きなんだけどね。

 穀物ダンジョンで採取できるなら、そちらで頑張ろう……。


 次の宝箱に着いたのはモンスターを一通り倒し、たっぷりのドロップアイテムを入手してから。

 マップ上、ちょうど反対の位置にあったから仕方ないかな。

 既に戻って来たリリーがサイと一緒に待ちぼうけている気がする……。

 働き者だから、いろいろとやることがあるので退屈はしないだろうけどさ。


「ひ!」


 次の宝箱を見た途端昏倒した。

 昏倒した理由は、宝箱を見たからだ。

 よりにもよってブラックジーの形をした宝箱を。

 しかも正面を向いてたんだよね、横向きじゃなくて。

 嫌いな人には失神案件でしょう?


「は!」


 良い匂いに目覚めれば、隠し部屋に移動していた。

 セリノがおんぶしてくれたらしい。

 面目ない。


「待ちくたびれていたら、セリノに背負われてきたから、びっくりしたのねー」


「うううう。見てはいけない物を見てしまったのですよ、ごめんね、リリー。そしておかえりなさい」


「ただいまなのねー。今肉祭りの準備を始めたのねー。付け合わせのお野菜は何がいいのねー?」


 肉にあう添え物といえば。


「キャベツじゃなかったキャノベツを千切りで」


「了解なのねー。飲み物はさっぱりとイエローベリー入りの果実水なのねー」


「う。肉祭りなので、スープ系は用意しないのよ」


 まぁ、今回は三種類の味比べをしたいだけだしなぁ。

 肉祭りにするには人数が足りない。

 せめてホルツリッヒ村のメンバー全員ぐらいの人数は欲しい。


 木目の綺麗なテーブルと椅子が用意され、別のテーブルには皿とグラスの準備がされている。

 すぐにでも食べられる状態だ。

 私は体を起こして椅子へ座る。

 透かさずイエローベリーウォーターとミートキリトリの肉が三種類並べられた。


「では、いただきます!」


 私が声を掛けねば始まらない。

 ちなみに蝶々コンビは肉を食べないらしく、イエローベリーウォーターだけを美味しくいただくようだ。


 起き抜けなのでまずはイエローベリーウォーターを一口。

 氷こそ入っていないがグラスとともに中身もよく冷えている。

 冷たさに胃がきゅっと縮んだ気がした。


「……私は照り焼き味が一番好みですわ」


「シンプルな塩胡椒味が、一番肉の旨味を堪能できる気がするのねー」


「ん。リリーに賛同なの」


「珍しい味なので葱甘酢味が好ましいのです」


「う。サクラに賛同なのよ。甘酢はかなり好きな味なのよ」


「どれも本当に美味しいのですが、僕は味が強い照り焼きが好きです」


 肉好きローズと男子はやっぱり安定の照り焼きだよね。

 どんぶりにして食べたいわ。

 リリーとモルフォは塩胡椒味、と。

 肉以外でも結構シンプルな味付けが好きよね、二人とも。

 そして私は葱甘酢味に軍配を上げる。

 サイと同じで甘酢味が好きなんだ。

 +刻み葱とか最高。

 この調味料をクックルーにかけて食べたいね。


 一口食べてはイエローベリーウォーターを飲むを一通り繰り返して、私の食べ比べは終了した。

 サイにサクラ、リリーにモルフォは三周を繰り返し、ローズとセリノは五周を繰り返したよ。

 さすがは肉好きローズにセリノ、ひと味違うよね。

 ……少し、肉料理を増やした方がいいのかなぁ……。



 ブラックジーの秘宝

 ブラックジーを剥製にしたような宝箱。

 中身は、永遠のブラックジーという名を冠する漆黒の宝玉。

 飾っておくだけで、子孫繁栄、頑強長寿が約束される。

 王族などが喉から手が出るほど欲しがる秘宝。

 尚、あらゆる種類のジーに好かれるらしい……。

 ランク レジェンド





 喜多愛笑 キタアイ


 状態 心身ともに良好 new!!


 料理人 LV 4

 

 職業スキル 召喚師範 


 スキル サバイバル料理 LV 5 

     完全調合 LV10

     裁縫師範 LV10

     細工師範 LV10

     危険察知 LV 6

     生活魔法 LV 5

     洗濯魔法 LV10

     風呂魔法 LV10

     料理魔法 LV13 上限突破中 愛専用

     掃除魔法 LV10

     偽装魔法 LV10

     隠蔽魔法 LV10

     転移魔法 LV ∞ 愛専用

     命止魔法 LV 3 愛専用

     治癒魔法 LV10

口止魔法 LV10

     人外による精神汚染


 ユニークスキル 庇護されし者


 庇護スキル 言語超特化 極情報収集 鑑定超特化 絶対完全防御 地形把握超特化  解体超特化


 称号 シルコットンマスター(サイ)   



 町内会の班長が回ってきて一年間やることになったのですが、初回町内会は引き継ぐ書類が足りず、二度目の町内会は配布物が足りない……残りの期間は無難にすごしたいものです。雨の日のクリーンデイとか皆さん参加されるのだろうか……。


 次回は、昆虫ダンジョン インセクト 24(仮)の予定です。


 お読みいただきありがとうございました。

 引き続き宜しくお願いいたします。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ