フロイラインで勧誘会。
無性に飲茶が食べたくなり、行ってきました。
飲茶オーダーバイキングに一人で!
注文した料理をワゴンが自動で運んでくれるんですよ!
最近は多いらしいですね。
全体的にちょっと甘めでしたが、美味しくいただきました。
オーダー表にない本日のお勧めメニューが、次から次へと出てくるのには嬉しい悲鳴を上げましたよ。
ダンジョンの出口でビダルを召喚。
イケメン門番が走り寄ってきたので、ビダルの召喚に使ってやったし。
すっごい嫌そうな顔をしてた。
嫌そうな顔をされて、変顔でも美形は凄い! とはならなかったので、奴がそこまでの美形でないとわかって苦笑する。
ビダルへのイケメン門番の態度を見た二人は、イケメンに対して屑を見る目で見下していました。
ざまぁ!
そんな美味しい『ざまぁ』を堪能したあとは、ビダルが声がけしてくれた馬車で移動。
移動中に一応ビダルと二人の紹介をしておく。
お互い節度ある距離を保っていたけれど、好感を持っていたようで、馬車の中は終始和やかだった。
良い人ばかりの空間に恵まれた私は、短い時間で心の洗濯が叶って嬉しい。
嫌な人というか合わない人の方が多いので、地味に消耗してたんだよね。
三人とは対等な、もしくはそれに近い関係が築けそうな予感もした。
冒険者ギルドに着けば、できる美人の受付嬢と目があった。
にっこりされて、カウンターから出てきてくれる。
対応していた冒険者は違う受付嬢に引き取られていた。
不満そうな顔をしてはいたが、文句は出なかったようだ。
この辺もさすがの手腕だ。
御用件は? と聞いてくれたので……やはり仕事のできる美人に弱い私は名前を聞いてしまった。
よろしければ今後も自分を指名くださいませ、との世辞ではないだろう言葉で紡がれた名前はペルペトゥア。
仲良くなったらペルさんと呼ばせてほしい。
日本人ならちょっと呼びにくい名前……だよね?
可愛らしいんだけどさ。
で。
ペルペトゥアにボノを呼んでもらう。
ボノは溜め息をつきながら現れた。
私が連れてくる犯罪者に嬉しさと切なさが乱れ打ちらしい。
犯罪者が減るのは嬉しいけど、これだけ立て続けだと私に申し訳ないってとこかな?
私を犯罪者ほいほいみたいには思っていないようで安心する。
……そのうち思われる未来は確定かもしれないけどね。
個室に移動して全員が部屋に収まったところで、満面の笑みを浮かべて山盛りのスコーンが入った籠を渡せば、無言で受け取ったボノは私以外の人物から情報を吸い上げたようだ。
三人の頭をわしゃわしゃと撫ぜていた。
慰めとよくやった! の意味なのかな。
三人とも照れくさそうにしていたのが意外だった。
私が想像していたよりもボノは尊敬に値するマスターらしい。
また心の中でボノの好感度の修正をしておく。
聖女の慈悲が施された犯罪者は、さくっと娼館に売り払われる手配が取られた。
専門の娼館があると聞いて驚く。
どれだけ多いんだろう、断罪された性犯罪者!
後日裁定を終えた娼館が犯罪者の代金を、被害者に支払うシステムのようだ。
その際には犯罪者が現在どんな状況なのか、見たりもできるんだってさ。
まぁ自分に酷いことをした奴が、それ以上の酷い目に遇っているのを見られたら、溜飲が下がるってもんだよね。
二人は必要ないって首を振っていたけど、たぶん一度は見ているんだろうなぁ……。
犯罪者の財産も、一定の手数料を差し引いた残りは全部被害者のものになるようだ。
スライムが綺麗に引っぺがしてくれた上で、査定までしたので、手間がかからないですんだ! とボノが大喜びだった。
っていうか、そんなに信用していいのかな?
一応、査定したのスライムなんだけど……。
スライムのぷるるんな体を撫でたあとで、少し躊躇ってから私の頭も撫でられた。
三人やスライムを撫でる手つきより優しかったのに、鼻の奥がツンとする。
湧き上がってきた慣れない感情をどうにか消化すべく、私はボノに聞いた。
ボノは熊獣人なのかと!
うん。
やっと聞けたんだよ!
ボノはきょとんとしたあとで、がはははは! と豪快に笑ってから教えてくれた。
熊獣人の中でも最強とされる白熊人なんだそうだ。
完全獣化できるのかと尋ねたら、当然だと頷かれて、どんなときに完全獣化するのかと聞けば、望むなら見せてやるぜ? と目を細められる。
不穏な気配を察知したので、断っておいた。
見たいんだけどね。
見たら何かしらの制約がかかる気がしたんだ。
カンデラリアがいとまの挨拶をするので、それに続く。
冒険者ギルドを出たところで教えてもらった。
獣人に完全獣化してほしいとねだるのは、結婚前提で付き合ってほしいって意味が一般的なんだってさ!
よく回避したよ私。
いい人だとは思うけど、伴侶にしたいとは思わないよ、さすがに。
っていうか、この世界でそこまで思える相手は見つかっていない。
恋愛はなぁ……。
向こうでの彼氏が強烈だったからなぁ……。
落ちたな、って自覚が出るまではいいかな。
……無理かな。
フロイラインの専用馬車を召喚して、移動。
二人も宿泊を決めたようだ。
ビダルの別館宿泊も無事に手配完了できたので、男女が同席してもいい場所へと移動する。
別館ともまた違う場所へ先導された。
本当に徹底しているよね。
どちらかといえば女性向けな、けれど男性がいても問題はないだろう落ち着いた個室へ通される。
飲み物や食べ物の手配を尋ねられたが断っておいた。
ここの御飯は美味しいんだけどね。
これからビダルを勧誘するから、手持ちのアイテムを使いたかったんだ。
大きな円卓を囲んで座る。
スライムたちが軽食を出してくれた。
ポークのショウガ焼きホットサンド、ホワーンラビットのミネストローネ、皮モロコシ茶、レッドベリーのムース スライスレッドベリーのせ。
ん?
軽食じゃないかな、この量だと。
「なんですか、この料理。見たことないけど、すっげぇ美味そうですね」
「たぶん、美味いの」
「ええ、間違いなく美味しゅうございますわね」
「ちなみに、この食事。私の村へ来たら毎日でも食べられる料理です」
ホットサンドに齧りつく私を見て、全員同じように齧りついた。
「……フォルスさんの村への移住条件って、どんなんですか?」
こちらから提示するまでもなくビダルが移住の話を切り出してくれる。
思いがけないラッキーだ!
「条件は村長である私とエルダートレントでもあり、副村長でもあるトリアに認められる。それだけだよ」
「……えるだーとれんと……無理だ。俺じゃあ、無理だ……」
ビダルががっくりと肩を落とす。
何かを振り切るようにミネストローネを口にして、うめぇ! と叫んだ。
「いや。無理じゃないし。私はビダルをホルツリッヒ村に移住してほしいなぁ、ってお願いするためにここへ呼んだんだし。もしよかったらピアとカンデラリアも一緒にどう?」
「移住はさて置き、一度は行ってみたい」
「そうですわね。まずは村の様子を窺わないと話になりませんわ」
「それもそうだね。んー。私はインセクトダンジョンを完全攻略するまでここに滞在予定だから、私がいなくてもいいならスライムたちに案内させるわよ?」
マッパーのモルフォ、鑑定のサクラ、攻撃&防御のローズは一緒にいてもらわないと困るけど、リリーとサイには一時抜けされてもいけそうだよね?
「私とサイが案内するのねー。拒否される可能性はゼロに等しいけど、万が一拒否されても、私たちが貴方たちの安全を保証するのねー。だよねー、アイリーン?」
「うん、二人に任せれば安心安全。滞在費とかも気にしないでね。こちらで全部持つから。好きなだけ滞在すればいいよ。いいところだよ、ホルツリッヒ村」
「……ではお言葉に甘えて、伺いますね。お二人はどうされます?」
「明日、立つの?」
「ええ……素敵な出会いが待っている気がするんですよね」
「素敵な、出会い……美味しい御飯との? 私も行きたい。リアはどうする?」
「ピアがそこまで行きたがるなんて珍しいですわね。では明日ゆっくりと体を休めて午後に出発で如何でございましょう?」
「うん。俺はそれでいいです。あー、着替えとかはさすがに必要かぁ」
「う。村で作っている試作品があるから、それでよければ必要ないのよ。ちなみに移動はスライム移動を使うから、疲れないと思うのよ。何だったら寝たまま移動できるのよ」
「詳しくはお楽しみなのねー。馬車とは比べものにならない、早さと快適さで村までお届けするのねー」
想像がつかないのだろう。
三人とも不思議な顔をしたまま首を傾げている。
私はそんな三人に、食事の続きを勧めておいた。
スライム移動は、私でも説明しがたいからね。
アレは経験するのが一番なのだよ。
喜多愛笑 キタアイ
状態 心身ともに良好 new!!
料理人 LV 4
職業スキル 召喚師範
スキル サバイバル料理 LV 5
完全調合 LV10
裁縫師範 LV10
細工師範 LV10
危険察知 LV 6
生活魔法 LV 5
洗濯魔法 LV10
風呂魔法 LV10
料理魔法 LV13 上限突破中 愛専用
掃除魔法 LV10
偽装魔法 LV10
隠蔽魔法 LV10
転移魔法 LV ∞ 愛専用
命止魔法 LV 3 愛専用
治癒魔法 LV10
人外による精神汚染
ユニークスキル 庇護されし者
庇護スキル 言語超特化 極情報収集 鑑定超特化 絶対完全防御 地形把握超特化 解体超特化
称号 シルコットンマスター(サイ)
豪華客船描写が気になったのと、そういえば好きな作家さんの名作なのに一度も見てないなぁ? と映画に行ってきました。
豪華客船描写は物足りなかったのですが、それ以外は見応えがあって大満足です! 鑑賞後原作が読みたくなって困りました。
どこの出版社から出てるシリーズにしようかなぁ……有名作品あるあるですよね……。
次回は、昆虫ダンジョン インセクト 5(仮)の予定です
お読みいただきありがとうございました。
引き続き宜しくお願いいたします。