おもい(ジャンル:詩?)
僕の体は重いんだ。
体重計に乗っかれば、その重さが数値化される。
この数値が僕の重さ。 僕の存在証明。
成人男性の平均を考えれば、少し軽いかも。
でも、それでも重いんだ。
人間は背負うの得意だけど、それをおろすってことがなかなか出来ない。
嬉しいことも悲しいことも。 悩みや不安も。 とりあえず背負ってしまう。
当然重くなる。 背負った思いの数だけ、前に進むのに時間がかかる。
なんて不器用なんだろう。生きるためには一歩一歩歩いて行くしかないのに。 負担になると分かっていながら背負うなんて。
いや、違うか。 人は背負うことで、自分の足跡を残すのかもしれない。 一つ一つの足跡に意味を込めて。 振り返って、歩いてきた道筋がはっきりと見えるように。
それでもね。 時々思ってしまう。 余計なものなんて言うのはダメなんだろうけどさ。
背負ったもの、全て置いてみたら。 ほら、身体は軽くなった。 今なら空も飛べる気分だ。 僕は自由だ。 なんて解放的な気分だろう。
ああ、でもやっぱりまだいいかも。 この感覚はきっと、人である限り必ず訪れそうだから。
きっと、背負った荷物を置く時って。 僕がこの世界に別れを告げる時だ。
だったら、まだいい。 この世界を生きていたいから。 大切な人たちがいる、この世界を。
だから僕は、重いままでいい。 たくさんの思いを背負って、今日を生きよう。