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ホームシック(ジャンル:ちょっとSF?)
僕が生まれた時から君は僕を、僕の家族をみんな守ってくれた。 子供の頃から君はいつでもそこにいてくれた。 僕が戻れる場所を用意してくれていた。 僕らがご飯を食べれるように。 僕らがお風呂に入れるように。 安心して眠れるように。
君はただ黙って、そこにいてくれたね。 幸せな時間を見守ってくれてたんだね。 悲しみも、何も言わずに受け止めてくれてたんだね。 気づいてあげられなくてごめんね。 君は僕が大人になるまで、ずっとずっと支えてくれていたんだね。 ありがとう。
そんな君が明日いなくなる。 祖母から聞いたんだけどさ。 君は、祖母がまだ子供の頃からずっと、ここにいたんだね。 だから多分、僕なんかよりも分かるよね。 自分のことだもんね。
星空の下、 君を見上げる。 何十年も一緒に過ごした君との最後の夜。 ありがとう、感謝の言葉しか出てこない。 育ててくれた両親や祖母と同じくらいに、君にはお礼を言いたいんだ。 本当に、今までありがとう。
不意に上から一粒の雫が落ちた。雨? いや、空は雲ひとつない星空だ。 じゃあいったい……… ああ、そうか。 君も、僕らを恋しいと思ってくれてるんだね。
「いままでありがとう。 お疲れ様」 僕は笑顔でそう言った。
さよなら、僕のホーム。




