10/71
桜(ジャンル:詩?)
桜の花が咲く頃、僕らは出会った。
綺麗だねと呟く君に、僕も静かに頷いた。
桜の花は二人の出会いを知っていたように、春風に揺れていた。
二人で眺めた夜空の花火。
秋空の下つないだ、少し冷えた小さい掌。
白い景色を眺めながら、触れた唇。
この桜の下で出会った、名前も知らない君と結んだ絆。
不思議だね、こう言うのを奇跡と言うのかな。
桜の花は知っていたのかな。だとしたら、とても残酷だね。
人の出会いと別れを見届けるのは、辛いと思うんだ。
花びらが舞う、あの時と同じ。
違うのは、僕らが別々の道を歩むこと。
でもね。 別れを悲しんでばかりじゃ辛いから。
約束を交わそう。
果てのない道のりで、立ち止まらないように。
たとえ、もう二度と会えないんだとしても。
振り返らず進もう。 この約束が、お互いの背中を押せるように。
今、別れた二人の道。
別々の道を行く僕ら。
真っ直ぐに進もう、たとえもう会えないんだとしても。
忘れたりしない、二人が歩んできた道は同じだったこと。
約束だ。 僕は君のことを好きだった。
僕はそれを、忘れたりしない。
願うなら、この桜の下で。 また………




