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異世界の機神 【寝過ごしたら、そこは異世界 】  作者: 藤谷和美
第一章:ドラゴンスレイヤー計画
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惑星浄化

 魔総研の敷地から離れると、魔素の空間密度は再び上昇した。

 そのお陰で、なんとか幼女の姿に戻ることが出来たバレリーは、アイザックと共に石倉の案内で新港市へと、山中の細い林道を通って移動した。


 丸一日を掛けて、彼らは新港市郊外にある空港施設へと到着する事が出来たのだった。


 新港市は世界有数の巨大企業でありながら、宇宙開発技術の最先端企業でもある菱川島重工業の本拠地である。


 その開発した先進技術の数々から未来から来たのでは無いかと言われている創業者の菱川島重吾自らが、過疎地対策として払い下げられた広大な土地を切り開いて開発した新興都市であり、数々の先進的軍事技術を用いて未だ竜族に対抗している数少ない場所でもあった。


 ここは富士樹海の地下政府施設と臨時政府の設置場所について、最後まで候補地として挙げられていた場所でもある。


「石倉さん、ジョーの事はお願いします」

 バレリーは後ろ髪を引かれる想いで、実験棟の地下で眠る幾嶋のことを石倉へと委ねて日本を後にした。


 バレリーとアイザックは日本を脱出する外国籍の人達で騒がしい空港で、最終便の成層圏航行旅客機に席をようやく二人分確保し、無事に故郷のノルウェーへと帰って行く事になるが、それは本編とは関係の無い別の話となる。


 彼らが北欧のノルウェーへ向かった後に、テラフォーミング計画が実行されて、地球は大きな地殻変動により様相を大きく変えてしまう事になった。


 だが、バレリーとアイザックが地殻変動による破局の時を迎える数分前に、ノルウェーの研究施設から忽然と姿を消したというのは、誰も知らない。


 石倉研究員のその後の消息だが、再び魔総研跡地に立ち寄って第17研究室より『何か』を運び出した事は判っているが、その後の消息については誰一人として知るものが居なかった。




 テラフォーミング弾による地殻大変動に巻き込まれ、かつて地上に栄えた高度な文明は、全てが地の底と海の中へと消え失せた。


 千年を超える長い年月の中、僅かに生き残った人類の末裔たちが肩を寄せ合い、再び村を造り、やがて小さな地方領主たちが生まれる。

 幾多の領土をめぐる戦いの後に、小さいながらも各地に国家という概念が生まれるまでになった。


 そんな遙か後の世では、この地殻大変動の事を次のように言い伝えていた。



 遙かなる昔、いにしえの神々の争いあり


 遍く全ての生き物の上に火の雨と氷の槍が降り注ぎ、大いなる禍により大地は割れ、山は海となり海は山となり、星は位置を変え空は裂けた

 幾多の生き物が滅び、神々もまた激しい争いの末に滅びたと言う…… 


 世界が滅びてより幾千年


 すべての文明は失われたかに見えたが、僅かに生き延びた人類の末裔は再び地に根を張り都市を造り再びその数を増やしていった





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