表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

ショートショート集・2

突然ですが悪の組織に捕まりました

作者: 青樹空良
掲載日:2026/03/29

 突然だが、悪の組織に捕まってしまった。そして今、牢屋に入れられてしまっている。よくある、石造りの寒々しい部屋に金属製の柵がはまっているアレだ。窓にもがっちり柵があって出られそうにない。

 困った。

 けれど、気付いた。

 がんばって手を伸ばせば届きそうなところに鍵がつるしてある。

 こういう場合、きっとアレが俺が入っている牢屋の鍵だ。つまり、あれに手が届けば出られる! 見回りは時々来るが、見つからないうちにあれを取ればきっと!

 今、ちょうど見張りはいない。やるなら今だ。


「よっ」


 俺は、鍵に手を伸ばした。が、すれすれのところで届かない。指先が鍵に触れそうなのに、もう少し、というところで触ることが出来ない絶妙な距離だ。わざとやっているんじゃないかと思うくらい、いい感じに届かない。


「くそっ」


 俺は悪態を吐く。

 が、思った。

 手がダメなら、足があるじゃないか。足の方が手より長いはずだ。つま先を伸ばせば、きっと届くはずだ!

 ただ、靴を履いていたらせっかくの鍵が上手く取れなくて落としてしまうに違いない。慎重を期すために、靴を脱いで、更に靴下も脱ぐ。


「よしっ」


 気合いを入れて、俺は足をピンと伸ばす。


「うっ、くっ」


 足がつりそうになるが、牢屋の柵で身体を支えながらバランスを取る。もちろん、足は手のときと同じ高さにして、がんばっている。足は、しっかりとつま先まで伸ばして鍵の方へ向けている。

 相当まぬけな格好だ。それも厭わず必死になっているというのに……。


「な、なんてことだ」


 つま先までしっかりと伸ばしても、鍵にはまったくかすりもしない。むしろ、手のときよりも鍵は遠い。


「俺、そんなに短足だったのか……」


 ひどい現実を突きつけられて、俺は床へと崩れ落ちた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ