物語の始まり
ふと目が開けられることに気づく。
もう来世が始まったのかと思うが、なんだか実感が沸かない。
夢を見ているかのような感覚だ。
なんていうか、自分に実体がない…みたいな。
「てことはここはあの世なのか?」
そんなことを疑問に思っていると。
???「まああの世といえばあの世ですが」
そこでおれは声のする方に目を向ける。
そこには巫女さんの服を着た女性が立っていた。
おれは昔見た巫女服のコスプレを思い出した。
「あの世でもコスプレする人がいるんだな」
昔見た大人のビデオを思い浮かべながらそんなこと言うと目の前の女性が
???「確かにこの服はわたしの趣味みたいなものですがあなたの考えるような下劣なものと一緒にしないでください!!」
そこで女性が少し顔を赤らめながら怒り出した。
コスプレとしか言ってないのに…
どうやらこちらの考えてることは筒抜けのようだ。
「こりゃ失礼。昔お世話になったもので」
???「あなた謝罪の意思が微塵もありませんね」
ん?そんなことはないのだが?
そんなことを考えていると
???「まぁいいでしょうこんな格好をしている私にも落ち度がありますしね」
こほんっと女性が一つ咳払いをすると続けて
シリス「私は女神シリスあなたの転生担当になりました」
そう言った女性もとい女神シリスは、巫女服を着ていても分かるスタイルのいい見た目と少し切れ長の目、髪は銀髪で肌は透き通るように綺麗だ。
ただ残念なのが昔読んだ漫画ではこういう女神様は、大体巨乳と相場は決まっているのだが…
シリス「あなたの転生先はゴキブリにでもしましょうか?」
シリスは翔の考えてることと目線を感じ取り目の笑っていない笑顔でそんなことをいう。
「い、いえなんにもやましいことは考えてませんよ!すごい美人さんだなぁって。アハハ…」
おれはすぐに取り繕うようにそう言った。ゴキブリにはなりたくないのでね。
シリス「考えていることは全部わかるので気を付けてくださいね」
「以後気を付けます!」なんとかゴキブリに転生するのは免れたようだ。
しかし転生かぁ、いざこうして考えると自分でも驚くほど落ち着いている。
そういう感覚はどこへ行ってしまったのだろうか。
長年諦めと同じ毎日の繰り返しで感情が死んでいるのはわかるがここまでとは…
「で、そんな女神様はおれをどんなところに転生させてくれるのかな?」
昔読んだ本では大抵ここで能力や加護などなんかしらの能力をもらうのが相場だと
思うのだが。いったいどんなチート能力をもらえるのかな。なんて考えていると
シリス「あなたには能力などの付与はありませんよ」
女神様がそんなことを言う。
「え?なんもないの?」
シリス「あれは前世で功績を残したり、いわゆる徳などを積んだひとに与えられるものです」
おれは少し期待していたのもあってちょっと残念な気持ちになる。
シリス「だれでも付与していては転生先の世界のバランスがおかしくなりますからね」
言われてみれば確かに納得がいく。
「まぁ来世があるだけマシか」
おれは諦め気味にそうつぶやく
シリス「次の世界で功績などを残せばまた次の転生時に能力の付与がありますので頑張ってくださいね」
「承知したよ」
まぁ来世で頑張ってみますか。
シリス「あなたにとって良き人生になることを祈っていますよ。」
シリスはそう言うとおれに手をかざした。おれの視界は光に包まれて来世へと転生をした。




